ぶらり シッター記、前編/1日目に続く、後編/2日目・3日目です。
~~2日目~~
ちょっとばかり暑いくらいの好天に恵まれた、お世話係のおばさん中日。
朝10時前。
マンションの入り口に近付いた辺りで、友人宅の、日光浴&お外見聞スポットとしてニャンズに大人気な出窓の内側に、お尻をこちらに向けた香箱座りのシルエットが。
まさかまさかの、おばさん待ちですか~?(^皿^)
そんな訳ゃないとは理解しつつも、逸る心のまま足早に窓辺に近寄ると、気配を感じたのか、顔だけこちらに振り向けたママにゃんが私の姿を目に留めて、ニャアンと小さく、鳴く素振りを見せてくれました。
残念ながらガラス越しで、確たる声は聞こえませんでしたが、私にはそれで充分です。
.+:。.+:。.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.。:+.。:+.
おばさん、今日も頑張ります!!
この日はさすがにもう、手間取る事無く解錠。
そろそろとドアを開けると、脱走防止柵の向こうでママにゃんがお座りして待っていてくれました。
出窓のある部屋から移動して、お出迎えしてくれたようです(о´∀`о)♪
「おばさん、来たよ~。賢くしてたか~い?」
ニマニマしながらキッチンに入ると、運動会の余波らしく、いつもはテーブル下にあるニャンコテントが西部劇の枯れ草玉の様相であらぬ場所へ転がっていました。
その辺に見当たらないので軽く探したボクにゃんは、座敷のお気に入りのスツールの上で手足を広げ、のっぺり腹這いになっていて、私が部屋に入ろうともそのまんま、動く様子がありません。
これか。
『大抵お迎えに来るけど、いつもと違う時間帯に帰って来たら油断してるんか、帰っても奥の部屋でまったりしてるまんまの時がある』て猫友が言うてたヤツは。
しかしまさか、他人がこんなずかずかお宅訪問しててもこの調子とは・・・
ほんまのほんまに、ボクにゃんよ。
何処にも姿の無いチビにゃんはやはり、籠城中。
「チビにゃんよ~い」
這いつくばってベッドの下を覗き込み、暗い中をよくよく目を凝らしてみれば、奥の奥の方、白い鼻筋から生じてぼんやりと、コニャンコの小さなお顔が判じ取れました。
こちらを睨みつける様に揺るぎ無く光る両目はぴかぴかで、付け入る隙がありません。
置いて帰ったカリカリはほぼ完食だったので(全部が全部、チビにゃんのぽんぽこに入ったかは謎だが)、まあ、良しとします。
大人ニャンズは揃って綺麗にカリカリ完食済。
2日目ともなると、カリカリ後のお皿を洗うべく回収した辺りから、次なるウマウマパウチの登場を察したママにゃんとボクにゃんが私の後ろに、やたらと前のめりのお座りでスタンバッてくれてました。
前日の流れに則ってトイレを片した後は、"大きなおばさんとの触れ合いタイム"。
「ママにゃん、次はこちらですか。こちらが良いのでございますか~」
ピロコームを片手に、カーペットにすりりん ころん♪ してくれるママにゃんの、ちょこちょこころん♪ の場所を変えながらの移動式ブラッシングに膝立ちで付いて回っていると、それをじっとり眺めていたボクにゃんもやがて、
「ボ、ボクも・・・」
おずおずと我々の方に身を乗り出して主張し始めてくれるので、
「あいあい。ボクにゃんもですな~」
ボクにゃんこしこし~ ママにゃんあっちでこしこし~ ボクにゃんこしこし~ ママにゃんこっちでこしこし~ ボクにゃんこしこし~ ママにゃん~ボクにゃん~ママにゃん~・・・エンドレス
複数ニャンコとお暮しの方の御苦労の一端を見ました (;´д`)
が、なんとか、ニャンズに御満足いただける程度にはやり遂げられたと思います。
ブラッシング後。
ボクにゃんとは少し、とんぼのカシャぶんでも遊びました♪
カリカリ投入中の私を見守るママにゃん。
ちんまり。
かわゆい♪
同じくボクにゃん。
・・・そこ、テーブル・・・
そんなボクにゃんが大好きやで~(о´∀`о)
チビにゃんは終日、ベッドの下にお籠りのまま。
この日、パウチは全く、手付かずでした。
リクエストに応えてママにゃんを再度ブラッシング中、キッチンでやたら、わおんわおん言うてたボクにゃんに、
「ボクにゃーん、チビにゃんにご飯食べるように言うてよ~」
(チビにゃんはボクにゃんを慕っているようなのです)
とか呑気に言うてましたが、
「・・・あれ、おやつ欲しかったんや!Σ(@д@;)」
帰りの電車の中で雷に撃たれ、ぐおぉお~ッと、頭を抱えました。
チビにゃんがうんとこ気掛かりやったとはいえ、完全に抜かっておりましたっ ( T д T )!!
「大きなおばさん、やっぱ、アテにならんわ (ФωФ)=3」
私をつくねんと見つめていたボクにゃんの、拗ねた様なしんねり顔が思い返されます。
ご、ごめん・・・(;>_<;)
いつもの喫茶店で一日を振り返りつつ、スマホを握り締めて百面相。
本日の報告と失態を猫友にメールしながら、『面目躍如』を強く胸に刻む私でありました。
~~3日目~~
夜には猫友が帰ってくる予定なので、2日目よりは心もち早めに、朝9時半頃、現着。
前日のときめきを期待して、外から覗いた出窓に猫影はなく。
残念に思いながら玄関に回り、ドアを薄く開けたところで、こちらに叩き付けるよな、ゴロニャーン!の合唱?輪唱?で迎えられました。
お留守番も3日目ともなると、やっぱり寂しくなるのね・・・( ノД`)
2ニャン揃ってのお出迎えにソワッと嬉しい傍ら、ほろりともしていたのですが、パウチの用意をし始めてからのブミャン!ブミャン!の非難混じりかとも思える矢の催促に、お腹空いてただけかい!とガックリしました(笑)
相変わらずお籠りを決め込んでいるチビにゃんのお皿も大人ニャンズの様にすっからかんではありませんが、カリカリがほんの数粒付いてるだけの状態で、この様子なら取り敢えずのところ、友人が帰って来るまでのお腹の案配は大丈夫そうです。
連日の不満が爆発したのか、各部屋もかなりの規模なハリケーンが駆け抜けた様相を呈しておりました。
私の記憶にある形になるたけ戻しましたが、友人が帰宅するまで、これがどれだけ保たれるかは定かでは無し(笑)
トイレ掃除後に、今日は忘れない内に!と、また、催促もされてないのにいそいそとおやつを差し出し、「え?今~?ないわ~」て顔されました(でも食べる)。
その後、ブラッシングを含む、一通りのルーティーンを終えて、
「チビにゃ~ん。ご飯食べなされよ~?」
出窓のお日さんに透けたカーテンの向こうでカチンコチンに固まっているちいちゃな影にひと言、声を掛け、さて、失礼しようかしらと部屋を見渡していた時です。
ブミャーン!ブミャーン!ン ゴロニャーン!
ボクにゃんが玄関先で騒ぎ始めました。
玄関近くの壁上方の、オモチャを纏めて入れてある袋の真下で、それを見上げておめくのが、ボクにゃんの『遊ぼー!!』の合図です。
.+:。.+:。.+:。\( ≧∀≦ )/。:+.。:+.。:+.
ありがたき幸せ!
馳せ参じて数多あるオモチャの中から迷わず選び取ったのは、嘗て私が献上した、紐付きのねずみカシャぶん。
我が家のゴン太イチ推しの品です。
イタチ・ムササビの如き茶色のつむじ風と夜毎、相対しておりますので、竿捌きにも些か自信があります。
竿の先を小刻みに揺らして先導すると、ボクにゃんがピンと伸びた爪先立ちで、勇んで着いて来ます。
座敷で迎え撃つママにゃんも、すざっと頭を下げて重心を低く、全方位万全の構え。腕を反して素早く宙をめぐらせたじゃらしに間髪入れず、華麗なるジャンピング・アタックを繰り出します。
そうしてゴン太と遊ぶいつもの調子で数回、竿を振るって気が付きました。
ボクにゃんが全く、付いて来てきません。
我々を見てはいるのですが、じっ…と、その場でうずくまっているのです。
その、じわりと滲み出ているどうしようもない置いてきぼり感に、と胸を突かれました。
ボクにゃんは箱入りのおっとりっコ。
リトルシューティングスター☆ママにゃんや、天性のむいむいハンター・ゴン太とは、少々若干、違うのです。
(あくまでも私の認識です)
ボクにゃんの程近くに竿を差し出し、じゃらしを低めにふい~ふい~と緩やかに動かしましたらば、パアァア~ 。:+..。:+.と一気に晴れやかな空気を身に纏って意気揚々、ガバリとねずみに飛び掛かってくれました。
どうやら、ずばり正解だったようです。
が、しかし、そのゆったりまったりのペースでは、今度はママにゃんがつまらんらしく、我々を白々しく眺めやるばかりで、ぴくとも反応してくれません。
あちらを立てれば、こちらが立たず・・・。
そんなこんなで、ボクにゃんに向けてはゆるく軟らかに、ママにゃん向けては鋭く厳しく、交互にじゃらしを操っておりますと、何処からともなく、小さな乱入者が。
楽し気な気配に釣られ思わず飛び込んで来たのか、跳ねて弾んで転がる様に姿を現したチビにゃんは部屋に踏み入れたところで、私を目にして躍り上がったポーズのまま、一旦停止。
「間違った!!」みたいな顔して、元来た方へピューッと巻き足ですっ飛んで行きました。
あまりに唐突だったので唖然と見送ってしまいましたが、元気なチビにゃんを見れて良かったです(o^-^o)
ハッスルして小腹が空いたのか、遊んだ後、ママにゃんが用意してあったカリカリを少し、食べてくれました。
帰り際、ママにゃんは出窓に、チビにゃんはベッドの下に居たのですが、沓脱ぎでスニーカーを履いて振り返ると、ボクにゃんが脱走防止柵の直ぐ側で所在無げにちこんと座り、私の方を見ていました。
みんにゃのおばさん、夜には帰って来るからね。
ゆっくりドアを閉める間も、お座りはそのまま。
ボクにゃんの視線は私から離れませんでした。
初日、中日とお見送りが無いのを、うっかり脱走、なんて危険が無いから良い事やわ~などと強がっておりましたが、やっぱり、嬉しいものですね (´^ ω ^ )
後ろ髪引かれる思いで、じんわり、胸に来ました。
超重量級の私のバッグに凭れて寛ぐママにゃん
お気に入りのスツールで、いつも通りのボクにゃん
チビにゃんの写真は撮れず・・・。
こうして、至らないところはままあれど、私のシッター体験はどうにかこうにか、無事に終了致しました。
普段、いつも当たり前にかわいいニャンさんたちですが、一人でお世話をすると、愛しい気持ちがいや増します。
それから何故だか、ゴン太をより、愛おしく感ぜられました。
友よ、良い経験をさせてもらいましたぞ! (・∀・)/
しかし、私の作文、長いなあ~ ( - ω -;)
ここまでお付き合い下さった、皆々様方!
ありがとうございましたっ\(^o^)/
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