つながり

2016年2月19日(金) 2016-02-19T01:09:44+09:00 354 / 4

コクシジウムとの80日間の戦いを乗り越えて、
ようやく、先住の兄貴猫たちと同室で暮らせるようになって…
幸せになるはずだった。
突然この世を去るなんて…。かなしすぎる。

持病？ウイルス感染？
寒くて血管が萎縮し、心臓発作が起きてしまった？脳内出血？
よくない食べ物を口にしてしまった？
うちには、ユリ科の植物も、花粉だって、家にはない。断じて、ないんです。

花のにゃんにゃんが聞こえなくなってからは、
何が原因だったのかを、
ふと気がつくと…
夫婦二人とも、黙ってスマホで検索してる日が続いていました。
原因が分からない、やり切れなさと淋しさから、
とてもナーバスに、同じようなことが起きないよう(起きては困るし)、
しつこいくらい、猫たちの安全確認している。

猫にとってみれば、遊び疲れて、
安心して眠りに落ちて、
気持ちよく夢を見ているところなのに。
ニンゲンは、そうはいかない。
死んでないか不安で、眠っている猫の身体をゆさぶっては、
起こして、生きてるという事実に、つかの間の安息をいる始末。

私たち夫婦の不在時に、寒くないようにと、暖房の設定温度をさらに
あげたりもしています。
完全室内飼いなのに、
除菌クイックルで徹底的に掃除したり、
ウイルスが入らないよう窓も閉めきり、
雨戸まで下ろしたりもして。

ふと妻の動きを見やると、スマホで、亡くなった花の元気な動画や、
我が家に来た頃の、小さな小さな、「在りし日の姿」を見つめて、
目頭を押さえてる…。
しょっちゅう涙を流したせいか、目が腫れてるよ、奥さん。

救ってやれなかったことが何より辛い。

『ごめんね、花。』じゃなくって、
『ありがとう、花。』って言うの。

そう言って、思い出を大切にして、
元気な３匹がまだいるし、強くならなあかん。前を向いていくの。
だってよ。
妻の、妻らしい言葉。超ポジティブさん。
でも、
そうなろうって、無理を重ねてしまうところがよくあるんです。

そうなんだ。
そんな強がりの言葉や、
気丈に振舞おうとしてる姿が、
やはり、私には痛々しく映ることが多くて。

『花の動画を見る時は、一緒にいる時だけ。
ひとりでの動画見は、禁止！』にした。
しかし、ふたりで動画を見ても、やはり
悲しくなってしまい、固まってしまうのです。
ニンゲンは、強くなれへん。あかん。

花を元気にしたい気持ちいっぱいでした。

猫たちも、不思議ですが、
やはり心や感情が彼らにもあるんで、３匹に減って、ぎこちなくなって、
言葉にできないような淋しさが、
あるようでした。

そこにいるのが当たり前だったから。
やっと一緒に生活しだして、
幸せやったはずだから。

でも、いなくなると、
ほんとにきつい。身が引き裂かれる苦しみとか
言われるけど、実際はもっと辛い。
真っ暗になる…。

前向きにならなきゃ。
よし、こうなったら不謹慎と言われても、
新しい家族を迎えいれては？と、
妻に内緒で里親希望検索してみたり、
市の保護施設ものぞいてみた。

けれど、やっぱり何かが違うって。
そういうことじゃないって…。
まだ、花とのお別れから幾日も経っていないこともあって。
『新しい家族を迎えてみようよ。』なんて、
妻にはなかなか言えなかった。花への罪悪感がつきまとった。

けれど、気がつくと私は、
ネットで、亡くなった花と同じ柄の、
「雉虎の猫さん」を検索してしまう。

地域を広げてもみました。
『うわぁ、ちいさ！めっちゃ赤ちゃんじゃん！』
『すげえ可愛いやん。あ、あかん…。月齢７歳…。
息子たちより高齢では、怖がるだろ。あかん』

そうやって検索していると、滋賀県まで検索地域を広げた結果・・

心臓を鷲掴みされるような、『衝撃』に襲われました。

『は、花だ！花やんかっ！！！』と。




花との再会でした…。
ありえないくらい瓜ふたつでした。ほんとに似てる。

その夜、妻に、
『花とそっくりな子がね、世の中にはさ、いるもんでさ。
オレ、里親検索サイトを眺めていたらね、
むっちゃ花に似てるコがいたよ。』と声をかけたのですが、
その時はまだ、妻も、うわべだけの片言の返事だけでした。

里親になりたいとなって、でも、なれなかったら、
それはまた、妻を苦しめてしまうことになりかねないし。
期待だけじゃ辛い。

それ以上ふれないことにした。

それでも、私は止まらない。
花に似たカレの画像を、
毎日気にしては、眺めるようになりました。

日課になった。

で、やはり意を決して、行動に出た。

パーキングエリア併設のスタバです。
まったりしたい休日には、
うってつけの場所である。
店員さんしかいない店内で、
妻と並んで座って、スマホをのぞいた。
PAのスタバは、大切な話をするとき、よく利用するんです。オススメです。

花そっくりの猫ちゃんの画像を見せました。

見た瞬間。
手で口を押さえ、息をのみ、スマホ画像を直視。
短い時間だったけど、長く感じた。
妻の目が潤んでた。
『本当に花の産まれ変わりかもね』と。

しばらく眺めて、また目を紅くしてました。

花は花。カレは、カレです。大切にしなきゃ。
身代わりじゃないから。それに性別も違うから。

でも、産まれ変わりは信じたい。
きっと、つながっているはず。
そういうことってあるはず。
ご縁でもあるから。

里親になれないかもしれないが、応募してもいいかと
妻の許可を得て、メールをさせて頂きました。
関西の素晴らしい活動団体さまでした。

遠くてご迷惑をおかけしてしまいましたが、
初めてお会いした方とは思えないくらい、
心のそこから猫好きな素晴らしい方々で、
猫を話題に妻も久しぶりに嬉しすぎる顔をして、
身振り手振りしながら、語り、笑ってました。
楽しい時間をいただきました。

ビビり〜の、おとなしいクリクリ瞳のかわいい
息子にも、出会えました。

名前は、我が家の一員として『太郎』をつける
こと。それは譲れない。

花の身代わりじゃないが、きっと花と繋がってる
ことを信じて、花にできなかったことをして
あげたいという気持ちもあって。
でも、ほんとは、もう一度、花でもよかった。

妻と名前の候補を持ち寄り、
命名会議（笑）！

響きから、『サクちゃん』『レンちゃん』を私が推し、
朔太郎。廉太郎。うん。セカチューの朔ちゃんである。
でも、花とは何も関連なし…。でも、響きがいい。

すると妻は、朔の字を『サクラ咲く』の『咲太郎』にしたらいいのでは！と。

朔のほうが知的な響きが私にはしましたが、
そこでピンと来てしまったのです。

単純にサクという音感が気になっていた私の案に、
見事に妻は、「花」を関連づけてくれました。

妻の放った言葉や思いは、 否応にも私の(おっさん)の涙腺を刺激しました…。

『花が咲かせられなかった幸せを、
この子には、咲かせたい。』から。と。

妻を天才だと思った（泣）。

語感の響きも、亡くなった花への強い思いも。

『心を鷲掴みされる』って、こういうことなんだろうなって、ハッとした。

ほんとにいい名前です。
名前の持つ意味以上に、大切に育てようと
思った。

長い長い（笑）つぶやき日記に、
おつきあいありがとうございます！