離乳後の子猫の育て方

生後3週間に差し掛かる頃から、子猫は徐々に外気に対する抵抗性と動く物への興味を持ち始めます。

基本的な管理は授乳期と変わりありませんが、おぼつかない足取りで行動範囲が広がってくる時期ですので、食餌、排泄の時間以外に運動の時間も少しずつ作ってあげるようにしましょう。

子猫を保育箱の外で遊ばせる場合、絶対に目を離さないようにします。電気コードなどを齧らないように注意し、家具の隙間にも入り込まないよう気を付けます。

離乳後の子猫の育て方

そしてたくさん撫で、抱っこし、話しかけて愛情をたっぷり注いであげましょう。母猫は子猫の体を舐め、お腹に抱き込む事で子猫の情緒を育てます。母猫のいない子猫の場合、代わりに人間がこの役割を果たさなくてはなりません。時間の許す限り、子猫と一緒に過ごしてあげて下さい。

ただしくれぐれも子猫が疲れ過ぎないように気を付けましょう。外で眠ってしまった場合はそっと保育箱に戻し、ぐっすり眠らせるようにします。

離乳食

生後4週間位から、子猫はミルク以外の物にも興味を持ち始めます。先住猫がいる場合、置いてあるカリカリを齧ったりする動作も見られます。この頃から徐々に離乳食への移行を始めます。

現在はペットショップなどに行くと、離乳食も様々な物が扱われています。カンヅメタイプの物は使いやすいので、色々な種類を買って、好むものを見つけるのも良いでしょう。

ミルクと並行して離乳食を与えているうちは「一般食」と書かれたフードでも良いですが、徐々に「総合栄養食」と表示されたフードに切り替えていくようにします。

最初の一歩

初めて離乳食を目にした子猫は、どうやって口にしたら良いのか分からず、お皿に這いずって大抵の場合は口に入るフードよりも顔や胸、前足に付いてしまうフードの方が多いものです。

それでもおいしそうな匂いにつられ、もっと欲しいとせがんできます。

初めから上手に食べられる子はいません。そこは人間の赤ちゃんと同じ。根気良く付き合ってあげましょう。

声をかけながらあげましょう
  • 指に付けたフードを鼻と口の間辺りに少量塗ってやる

    子猫は舌を出して舐めるという行動が分からず、お皿のフードに吸い付いてしまいます。初めは少量を鼻と口の間に塗り、舌を出して舐める事を教えてあげましょう。

  • 小さく浅いお皿で

    初めから大きなお皿では、子猫は体ごとお皿に入り込んでべたべたになってしまいます。しょうゆ差しのような小さくて浅いお皿を用意してあげましょう。

どれくらい食べさせる?

初めて子猫を育てる人が一番気になるのは、子猫にどれだけ食べさせたら良いのか?という事ではないでしょうか?猫は基本的に食べ過ぎという事が起こりにくい動物です。特に成長期には食べたいだけ食べさせても大丈夫です。

ただし、まだ小さな子猫です。お腹の調子を見ながら、量を調整するようにしましょう。

お水を飲ませる

粉ミルクで育っている子には、授乳中も時々温湯を飲ませると良い事は以前書きましたが(離乳前の子猫を育てよう-食餌の準備-参照)、固形物を食べ始めると、例えウエットフードを利用していても、お水を飲む習慣を付けさせなければなりません。

動物は喉が渇けば自然に水を飲むように思われますが、猫は砂漠地帯で生活していた頃の名残りか、水を飲む欲求のとても弱い子がいます。ひどい子になると、フード以外からの水分を全く取らずに脱水を起こす事もある程です。

保育箱の中にお水を設置するとひっくり返してずぶ濡れになってしまう恐れがありますので、食事や運動の時、保育箱の外へ出した時に、お水の所へ連れて行き、飲ませるようにしましょう。自分から飲まない場合、指で口元に水を差してやり、飲むように仕向けると良いでしょう。

トイレの練習

猫は基本的にトイレのしつけがとても楽な動物です。砂箱を用意してやると、誰に教えられなくてもそこで排泄するようになる子が多いです。しかし必ずしも全ての子猫がすぐにトイレを使えるようになる訳ではありません。どの子猫も、最初はトイレの練習をする必要があります。離乳食を始めたら、子猫にトイレの場所を教えてあげましょう。

トイレ容器

初めからきちんとした大きなトイレではなく、この時期は子猫でも乗り越えられる高さの小さい容器を準備します。子猫用のトイレとして市販されているものもありますが、短い期間使用するだけなので、100円ショップの水切りバットなどを代用しても良いでしょう。

トイレ砂

大人の猫が使うものと同じ物で構いません。この時期に使用した砂が一番のお気に入りになる確率が高いので、一生使う事を考えて選びましょう。時折、砂を口に入れてしまう子もいます。様子を見て、ひどい場合には、砂の種類をおからでできた物など口に入れても割合安全なものに変える必要があります。

ペットシーツについて

ペットシーツはトイレの前後に砂をかき、排泄物を隠す習性のある猫にはあまり適しません。ケージの底に敷いたり、砂の吸水性を補助するマットとして利用する事はできますが、シーツのみをトイレに使用するのはやめるようにしましょう。

トイレの練習

静かで落ち着ける場所にトイレを設置します。保育箱の中に入るスペースがある場合、箱内の片隅に設置します。

時間を見て、トイレ容器の中に子猫を置いてやると、察しの良い子はすぐに砂をかく仕草を見せてほとんどの子が1度トイレで用を足せば、次回からは自分でトイレに行くようになります。

初めはトイレで用を足すまで根気良く待つ必要が出て来るかもしれません。それでも、とても大切な最初の学習です。根気良く付き合ってあげて下さい。

トイレ以外の場所で排泄してしまった場合、子猫を叱っても全く無意味です。臭いが残らないようにきっちり掃除をし、子猫に正しいトイレの場所を教えてあげましょう。

食餌の管理

生後2ヶ月近くなると、子猫は離乳食から通常のフードへの移行期に入ってきます。カリカリに興味を示す子も多くなります。この時期に食べたものは、猫の一生を支える体の基本を作ります。

ヒトと暮らすようになった猫は、自分で食べる物を探す事ができません。フード選びは飼い主にとって最も責任の重い作業です。

フードの選び方については、賛否両論たくさんの意見が出回っています。私達は、フードパッケージに記載された原材料や成分比率を元に判断するしかありません。ただし現在の日本では、添加物などの微量成分について、記載する事は任意となっています。

フード選びについては、別項でも触れていこうと思います。ここでは、それよりも更に基本となる必要最低限のチェック項目のみを掲げておきます。

子猫用フードを与える

生後6ヶ月頃まで、子猫は急激な成長をします。この時期には特にたくさんのバランスの良い栄養素が必要です(体重1kg当たり、成猫のおよそ2倍)その後もゆるやかに12ヶ月頃まで成長を続けます。

この事からも、この時期の子猫には、成長期用に栄養素が配合された子猫用フードを与えましょう。

総合栄養食を選ぶ

キャットフードには、「一般食」と「総合栄養食」があります。総合栄養食は、そのフードとお水だけで、健康に生きていく栄養素が全てまかなえる事を意味しています。一般食とは簡単に言えば「おかず」の事です。これのみでは必要な栄養素を全て摂取する事はできません。いずれもパッケージに必ず記載されています。

給与量の目安は大抵のフードのパッケージに記載されていますが、猫はその消化器の構造や本能から食べ過ぎという事をほとんど起こさない動物です。

成長期の子猫には、食べたいだけ食べさせるようにしましょう。ただし、この時期の肥満や下痢はその後の発育に大変な悪影響を及ぼします。こういった異常が見られた場合、フードの内容そのものを見直す必要があります。

ネコの育て方もくじ