マダニ感染症と過去の礼文島のエヒノコックス集団感染事例

2021年7月6日(火) 546 / 3

千葉でマダニ感染症(SFTSらしい)が出たようですね。元々は汚染地域は西日本で東日本にはなかったようですが。

ふと思ったのですが、保護団体がよく保護した犬猫をあちこちに平気で移動させていますが、こういう感染症のことは考えてるんでしょうか？
マダニは人にはライム病や重症熱性血小板減少症候群(略してSFTS)などを引き起こすウイルスやリケッチア(要するに病原体)を媒介するし、同様に犬猫にバベシア(海外では猫にも発症例あり)やSFTSを起こす病原体を媒介します。
ちなみにSFTSは猫から人に感染例(死亡例あり)があり、飼い犬から飼い主にSFTSが感染発症した例があります。

感染症の70%は人獣(人畜)共通伝染病だと言われています。と言うことは動物の移動に関しそれなりの考慮は必要でしょう。ましてやそれが野良猫や野良犬になると。

感染症に関し、北海道である先例があります。
大正時代、礼文島にネズミの駆除で中部千島から12番のベニギツネが移植されたことがあります。しかし、そのキツネの中にエヒノコックス(エキノコックス)に感染していた個体がいたのです。その為島内にエヒノコックスが伝播、人に感染者が続出、死者まで出たそうです。
収束に向けて礼文島が取ったのは移植したキツネの駆除、そして飼い犬飼い猫を含めた島内の犬猫の完全処分でした(犬猫が伝播の原因となっていた)
当時可愛がっていた犬を床下に隠そうとした人、「どうか連れて行かないでくれ」と両手を合わせ拝むように懇願する人からもぎ取るように飼い犬飼い猫を連れ去り、殺処分したそうです。当然野良犬野良猫も見つけ次第捕獲殺処分。
昭和12年最初の感染例が発見されて収束が図られる昭和45年まで、実に33年の歳月を要したそうです。礼文島では昭和45年まで犬猫の飼育は禁止されていました。

さて、確かに礼文島での例は悲劇としか言いようがありません。しかし、この例が私たちに教えてくれている事がありますね。。。。

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