ちんころちゃんさん

ちんころちゃん

熊本県 54歳 男性 ブロック ミュート

2014年3月に6年飼っていたネコ(オス)を亡くしました。野良を保護したのですが白血病を罹患しており、発症に伴う貧血が死因でした。衰弱してしまったため病院を変え、新たに今後の治療方針を示して頂き希望を...

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うちのネコ君の事(終)
2014年4月5日(土) 714 / 2

<袋に入るのが大好きだったね^^>




 ゲージから取り出されたチンちゃんは、人形のように力無くグッタリとしていました。妻も私も何が起こったのか分かりませんでした。慌ただしく看護師さんが出入りし、先生は聴診器をあてたり、目をのぞき込んだりしています。


「心臓が止まってしまっています・・・」

先生が残念そうな顔を私たちに向けました。あまりにも突然で、あっけなく、事態を理解できていなかったのですが、つまりチンちゃんが死んだ、もうこれでお別れだという事を、ようやく私も妻も理解しました。その瞬間、妻はチンちゃんの名前を叫びながら大声で泣き出していました。

 診察台に横たわるチンちゃんを撫でてあげたら、まだ柔らかく、温かく、ただ眠っているだけの様に見えました。貧血で大分弱っていたからでしょう。施術のショックで心臓が止まってしまったのかもしれません。よっぽど嫌だったんだね、私たちはそう言ってチンちゃんを一生懸命なだめていましたが、でもゲージの中で暴れていたのは、発作を起こして苦しがっていたのでしょう。その時気付いてあげられていたら・・・気付いて先生に診てもらっていれば・・・本当にごめんね・・・



 チンちゃんを段ボールの棺に入れて頂き、車まで運んでもらいました。先生には「残念です。」と何度も仰っていただきました。僅かな時間だけになってしまいましたが、先生からは希望を頂けました。先生に謝意をお伝えし、私たちは家路につきました。


 家に帰るとチンちゃんをいつも寝ていたクッションの上に寝かせ、口の周りや体にこびり付いたドライフードのカスを取って綺麗にしてあげました。大好きだった毛布をかけてあげると、ただ寝ているようにしか見えませんでした。でも既に体温は失われ体は冷たくなっていました。娘も、幼すぎて分からないかもしれないと思っていましたが、保育園から帰ると「チンちゃんともう遊べない」といって大声を出して泣きじゃくりました。



 翌日、チンちゃんのお葬式のために、病院で紹介して頂いたペット霊園に向かいました。抱っこされるのが大好きな猫だったので、家を出る前、最後のお別れに冷たくなったチンちゃんをみんなで抱っこしてあげました。


 霊園は県道沿いの田畑に囲まれた静かなところでした。担当して頂いた方はとても丁寧で、妻の話を良く聞いてしきりに慰めてくださいました。

段ボールの棺を火葬場に運び最後のお別れをしました。花や、好きだった餌の缶詰、いつも追いかけていたネズミのオモチャを一緒に入れてやりました。

棺の蓋を閉めるとき、それまで火葬場の外のお花ばかり気にしていた娘が

「チンちゃんがいなくなっちゃう。もっと遊びたかったんにー」

突然大粒の涙を流して激しく泣き出しました。もうこれでチンちゃんの姿が見られなくなる事を、彼女なりに理解したようです。妻もそんな娘を抱きしめてあげながら泣いていました。



 雲間からお日様が時折顔をのぞかせるようになっていました。園に咲く桜の花びらが静かに風に舞い、可憐な桜吹雪になっていました。火葬場の方を仰ぎ見ると、煙突から出る高温の煙で、空に敷き詰められた雲が陽炎の様に揺らいで見えました。いまチンちゃんの体が自然に還って行ってるんだなと、その色も無い煙を見ながら思いました。火葬が終わるまでの間、私たちは娘と一緒に、園で飼われている猫と遊んだり花摘みをして過ごしました。

 痩せ始めた時すぐに病院へ連れてゆけば・・・あと一週間、あと一日早く連れて行っていたら・・・待合室で異変に気付いてあげられていたら・・・あと少し、もう少しでまた元気を取り戻す事が出来たかもしれないのに・・・お医者様から頂いたせっかくの希望が掌からこぼれおちてしまった事に、妻は泣きながら後悔ばかりしてしまいます。でも、輸血をする事がチンちゃんにとって本当に良いことだったのかは分かりません。無理に命を引き延ばす事は、それだけ苦しみを長く与えてしまう事になったのかもしれません。

 でも飼い主のエゴかもしれませんが、もう家に帰ってもどこにもチンちゃんは居ない、もう足元にすり寄って来ることも、お腹に乗って来てくれる事もない、そう思うと、お別れはもう少し後にしたかった、あと少しだけでいいから一緒に居てほしかった・・・そう思わずにはいられません。



 斎場では霊園の方にお経を唱えて頂き、本当に立派なお葬式をして頂きました。そして式の最後にお言葉を頂きました。

「野良ネコのままだったら幸せには生きられなかったでしょう。今チンちゃんが言葉を喋る事が出来たなら、きっと感謝の言葉を沢山くれるはずです。」

「ああしておけば・・・こうしてあげれば・・・ごめんね、と謝るのではなく、いままでありがとうと感謝の言葉をチンちゃんに掛けてあげましょう。」


 今私たちは、霊園の方に頂いたこの言葉に従って、お家に連れ帰ったチンちゃんの遺骨に、感謝の気持ちを毎日、毎日伝えています。


楽しい思い出を沢山、たくさん、ありがとう。
君は大人しくて、穏やかで、甘えん坊で、とっても優しい子だったね。
そんなチンちゃんが大好きだった。ほんとうに大好きだったよ。

ありがとう。

<娘もチンちゃんにありがとうのお手紙を書いています。>

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