冷たい生き物

2007年5月26日(土) 2007-05-26T07:01:48+09:00 440 / 3

親が死んでも、ある意味、猫の死ほど悲しくはない。
かくいう私は、じつは後者の死（タマ；2000年に8歳7ヶ月で）しか知らないのだが、さすがにその晩年を生きているには違いない両親は、最近は人前はばからず自分たちの入るお墓の話をするようになった。要は覚悟というヤツだが、ところが猫にはそれがない（たぶん）。この世との、そして飼い主との、別れをもしも、猫が事前にそれとして悟性的に認識したら…。
アホらしいほどのifでそれが「無い」からこそのペットなのだが――このことの論証めいた論議は他日に譲る――、それにしても3月末に単身渡米してからこのかた、何が悲しいといって、家族（妻や息子）との語らいの奪取とかではいささかもなく（彼女らとはビデオ付きスカイプで話している）、猫たちとじゃれ合う時間の不在（カメラに向かって手を振っても反応してくれない）、それ、それ以外の何ものでもないのである。
しかも悔しいことに、ぼくが居なくて猫たち悲しがってるでしょ、と訊いても「何も変わりありませんから安心して」と、妻が。
何か「変わり」が、おそらくはひそかに起こっていたのに鈍感な妻が気づかないか、いじわるで「変わり」がないといっているのだ――これが私が抱いた第一の考えだ。
猫たちは、なんか静かだな（文章からも予想されるだろうが私は家でもおしゃべりだ）、と思いながら、バカだから私との日々のことは忘れてしまった――悲しいがこれが第二の、可能性だ。
後者については、7月の一時帰国時、3匹が3匹とも、無視する（13歳ちかいメス）、逃げる（7歳すぎのメス）、甘える（7歳直前のオス）の、外からの訪問者に示す通常行動と同じ行動しか私に示さないのなら、私はもう猫なんてそういう生き物なんだと見限ることにする。そして逆に、プルーストのプチマドレーヌではないが、顔、髭、匂い、足音、…に接した瞬間に見る見る表情が変わり、失われた時間を遡行するような言動（どんなんや？）をとり始めたら、そのときはもう、一時帰国の最大14日間［これを超えるとなにやら税金の控除が適用されなくなるらしい］は、猫たちと過ごすことを第一とする、と決めている。
いずれにしても猫たちは、冷たいのではないのである。
この項のタイトルとして記された句は、したがってこちらの気持ちを解さない、飼い主の一人であるアイツのことで…。
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――の日記本文につづけて付記すると、飼い猫情報として3匹のうち一番若いのを載せたが、50ポイントがどこでどう引かれているのか、わからない（経験値とカリカリというのが1ずつ増えてる）。気にしなくていいというアドバイスだったが、これでは気にしようもないな。
いずれにしても、猫の話題に触れても「イイ齢して」と白い目で見られないこういうサイトがあるのを知らなかったので、おそるおそる他の場所で「告白」していたようなことの改訂付再録（じっさい上にもそういう部分がある）も含めて、こんどから猫ネタはこちらに。

［追記：ツルマルさんのコメントのあと、お返しのコメントを書いたものの、脱字があったので一度削除したのですが、投稿数としてはその最初の投稿のも残っています（つまりレス表記が実際より1多い）。些細なことなのですが気になる性格なので一応…。］