それまで、生ゴミの日にゴミ置場に現れては、ビニール袋を食いちぎり、袋の中から食べられそうなものを食べて、人が近づくと一目散に逃げていたキジトラさん。
チキンの骨、出汁パック、食パン、犬フードの食べ残し…
本当にお腹を空かせていたんでしょうね。
捕獲器には一発でかかりました。
我が家で保護してすぐ、キジトラさんを探して彷徨う人を見かけました。
ひとりは、近所のマンションの女の子。小学校高学年。
もうひとりは、ゴミ置場の近くの住宅街に住む今どきの男の子。高校生くらいかなぁ。
女の子は小雨の中、傘もささずに、大きな袋に入ったかつおぶしをガサガサ振りながら、あちこちの軒下や庭先をのぞいていました。
以来、両親と歩く彼女を見かけると「あ!かつおぶし子ちゃんだ!」と、心の中で呼んでます。
今どきの男の子は、夜11時頃にスマホのイヤホンをしながら「いや、オレ、ただ散歩してるだけだし!ネコなんか知らねえし!」と言いたげな表情で、ゴミ置場の周りをぐるぐる歩き回っていました。
たぶん、手を突っ込んだポケットの中にはキジトラさんにあげようとしていたフードが入っていたのでしょうね。
スマホボーイ、あなたが自らお金を稼ぎ、誰かと生活をしていく歳になった時、その時に、あなたの目の前にフラフラと現れた腹ペコの野良猫を助けて、家族に迎えてあげて。
ふたりとも、いや、もしかしたら、もっといるかも。
キジトラさんを心配していた人たち。
キジトラさんは大丈夫です。
雨にも濡れない、カラスにも追われない家の中に居ますよ。
ごはんもたっぷり食べてますよ。
でも食べる姿は見せませんよ。
新しいごはんを見ると何故か唸ってますよ。
まだまだシャーシャー言いますよ。
孫の手なら触れますよ。
猫パンチ、床ドン、得意技ですよ。
トイレの砂を撒き散らすのが好きですよ。
すこし、ほんのすこし。
わたしの顔と声を覚えてきましたよ。
だから、安心してください。
キジトラさんは大丈夫です。

大きく、というか、背中の丸みが増した気がします。

遊んでません。見てるだけ。

わたしの顔を見て、安全かどうか推し量っているのでしょうか。

イカ耳なのは相棒さんが入室したから。
ちょっとだけ相棒さんが苦手みたいです。

こちらが見ていても、キジトラさんから視線を外すようになりました。
ケンカなんかしたくないよね。
よしよし、えらいぞ。
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