ありがとう‥

平成27年10月24日、13歳のめいが天国に行ってしまった。

2年ぐらい前からか、毛をむしっては舐めてハゲてはまた毛が生えて‥の繰り返し。怯えるめいを病院に連れて行くと、その子の持ってるアレルギーだって。
飲み薬を貰ってしばらくして治り、また、病院へ行く‥を1年半くらい続けた。
よそのネコはケージに入れないと移動は無理だけど、めいは抱っこで連れて行けて、待合室でも平気な子。鳴くこともせず、おりこうさんだった。ただ、脚の裏は汗でビチョコ💦
1月の終わりごろか‥左の口元にヨダレを発見。おかしいな？まあ、カサカサいう買い物袋で遊んでたんで、多分、歯にビニールが引っかかって少し口が歪んでヨダレが出たんかな？
でも、それが一回じゃなくなって時々出すようになった。
4月27日、病院に行くと、ネコは歯垢が溜まりやすい、歯茎が赤くなってると診断された。赤ちゃん用の歯ブラシを買って、次の日のお昼すぎ、歯磨きしようと^_^口の中を点検した時‥
あれっ、舌の下になんかプクリと腫れた様なデキモノ‥偶然に発見👀
「ナニコレ〜？？？？」って、すぐにスマホで調べたわ。
これって腫瘍‥？‥‥‥舌がん？？‥いや、ただの、できもの？でも、ヨダレ‥でも、違うよな？
そんな問答を勝手にしながら、気になって気になって、夜間の救急エルザへ。
昼間にどい動物病院にいた先生がエルザにいて、思わず「見落としですよね？」と言ってしまったよ‥‥動物は喋れないのに、なんでもっと早く気づいてくれんかったのぉ。
あっ、それは母さんの事だ。なんで、あのヨダレの時に早く病院に行かなかったのか‥めいは違和感があったはずなのに。いつもと違う口の中‥なんかおかしいと思ってたはず‥‥
すぐに切ってもらうことに。待つ時間は長かった‥これ、病理検査に出すよ‥舌の付け根があるから完全には切除できてないって。

ゴールデンウィークが終わって、病院から連絡が来た。話を聞きに来てくださいって。
ちがうよな？検査の結果、心配ないですって言うためだよな？
恐る恐る夕方行くよ。

恐れていた結果。扁平上皮癌‥‥調べた通り。

間違いであってほしい‥泣き崩れた。しよあ
めい、ごめん。早く病院に連れて行かなくてごめん。舌の裏にそんなもんが出来てるとは気づかずに、ゴメン。
夏くらいまで持つかどうか‥って、告げられた。

この日から覚悟をしたり、それでも信じられずにいたり、の繰り返しが始まった。

気休めで飲ませていた薬はステロイド。口内炎を和らげるもの。人間の飲むやつだよな‥
オシッコやうんこは普通。でも、少しずつ食べる量が減った。顔が黒くなって来た。口内炎で口中が血だらけになっとる‥‥その舌で顔を舐めるから、黒いんじゃなくて赤い血が顔についている。体も黒くなった。何回もシャワーした。ゴメン、水が嫌いなのに‥。食べたくても口の中が痛いから、食べた後、「ぎやっ」って飛び上がった。
口内炎がひどくて塗り薬も貰った。これ、茶色で大豆みたいな大きさで油の塊みたいな。これを舌に塗って膜を作る‥
でも、こんなん塗ったって、その時だけ。
8月に入ってから、すりこぎで固形のご飯を潰して食べさせた。ミキサーでも潰してみた。
ネコは牛乳はあかんけど、めいが飲めるものなら、牛乳もあげた。冷蔵庫を開けるたびに、冷蔵庫のとこに飛んで来たな。あごが牛乳で白くなっためいを、ひげじいさんって呼んだ。ヨーグルトもシリンジに入れて‥おいしそうに、食べた。
どうやったら、めいが空腹感がないようにお腹いっぱいになるんか‥
固形のご飯は潰したつもりでも、少し固形が残って、病院で買ったシリンジにうまく通らない、缶詰に代えてみた。百均でケーキを作る時に使うクリームを絞るの買って、缶詰をドロドロにすりつぶしたのを入れて、口の中に流した。これ、正解✌🏻
口から溢れるヨダレと、ちゃんと食べれてないドロドロごはんで、床を拭くから、大量のティッシュのゴミ。食べたようでドロドロと出すから、本当は、食べれてないんだろう‥レジャーシートを買って、この上でご飯を。そうすれば、サッと拭けるし。
布団カバーも毎日のように洗濯。漂白剤のでっかいのをまとめて買った。

ベランダであぶら蝉の死骸をくわえてバラバラにしてた事も。ベランダに来たコウモリを捕まえた事も。お腹が減ってるのか、興奮したのか‥あんな形相も初めて見たな。

背中を撫ぜたら背骨がゴツゴツ、膝に来ても、乗ってるんか乗ってないんかわからんくらいまで痩せてしまった。
毛が抜けだして2月27日に5.6キロあった体重も4月27日に4.34キロ、
5月5日には4.06キロ、6月10日には3.45キロ徐々に落ちていった‥
残暑も落ち着きかけた9月30日、栄養剤を点滴してもらいに。この日の体重は2.24キロ‥どんどん痩せて行く。
相変わらず、すりこぎで潰して、シリンジに入れての、食事タイム。でも、この流れをめいは、下から上を見上げて、待ってた。最後に薬を飲む事も嫌がらずに‥
ネットで、高栄養のミルクも買ってみた。お皿に溶かしてシリンジで飲ませる。
ビールの空き箱で、ご飯をあげる時にめいがスッポリ入るようにと作ってみた。
でも、やっぱりドロドロになる。お風呂の中に連れて入った。これなら、ポタポタ落としても流せるな‥
いろいろと、何がめいに合うか？いろいろと試してみた。
10月18日、いつもと変わらない日曜日。いつも、寝ているめいを確認。
少し日が暮れて来た‥めいが周りにいないことにまだ気づいてない。
たまたま、ほんとたまたま、ベランダから下を覗いた。下の階の夫婦、会長さん、三人が懐中電灯持ってる。なんか、胸騒ぎ‥
急いで下に降りた。
「どうしたんですか？」
「ネコがこの中（植木）にいるんですよー」
「えっ？」懐中電灯借りて植木の中を確認。

どうやら下の階にいて、植木に移動したみたい。公園にいた子供らがおやつをあげてたって。でも、このネコちゃん、口をケガして血を出してますよ‥って。
確信した。

植木の中に入った。暗くなりかけでわかりにくい。でも、めいだ。こっちみて
【かーかんに、見つかった】って顔をしてた‥

お騒がせしましたと、連れて上がる。

めい、最期を悟ったんか隠れるとこないから、飛び降りたんか。
ここは隠れるとこないもんな。だから、下を覗いて飛び降りたんだよな。

胸の中をが掻きむしりたいくらい、どうしようもできん。悔しい‥

22日の夜、グッタリしてるから救急病院で栄養剤の点滴に。体よりも、点滴の液の方が多いような感じ。体重は1.72キロまで減ってた。
栄養剤が効いたのか、次の日の夜、ほんとに初めて、この子がこんな悪さをしたのは。残飯を漁ってた。お腹空いてるんだよな。
夜、一緒に寝ようとしたけど、なーんかグッタリ。飲む事もままならない状態になってしまって、きっと、これ、脱水状態。
22時ごろポカリを買いに‥シリンジで少し飲めた。そういえばドロドロの血のついたヨダレが止まってる。

24日は、
虫の知らせなのか‥休んだ。なんか、そんな日。
朝の用意をしている足元に、いつもならその辺に来てご飯をねだる時間。
おかしい‥‥
ふとみたら、お風呂の入り口に置いてる茶色いカゴの中に入って、うずくまってた。
よく、ここまで歩いてきたな。よく、カゴのふちを越えて入ったな。
背中を撫でてやった。

目を離した隙にいなくなってた。めい？

ローカにベトベトのうんこが２つぽとぽと‥ネットで読んだ。最期にこんなうんこしたって。
めいはどこー？

クローゼットの隅に、小さく小さくなって、丸くなってた‥

めーい

あぁ‥‥‥最期にの時がきたんだ。
めい、いつも言ってたよな。『いつも、いっしょ』って。
母さんが休んだ日に、お別れをするつもりなんだ‥‥‥

ガリガリのめいを抱いた。ガリガリすぎて痛いくらい。
バスタオルにくるんだ。
苦しいんだ、ハーッ、ハーッって大きな息‥
家のこと途中だから、めいをタオルにくるんだままイスに置いた。
めいは、かーさんと車で行ったり来たりした事、雷が怖くて暑い日でも布団に潜ってたこと、チョンチョンってオデコを突いて布団にいれてーって、必ず一緒に寝てたこと、お風呂に来て、お湯を飲んでたこと‥‥いっぱい思い出してるんかな。

ずっと顔を見てた。もう苦しい息はしなくなった。かすかな息‥
でも、お腹が、ほんの少し上に下にうごいている。生きてくれてる。
キバが削れてた。食べたくても、痛くて、食べにくいから、歯も削れたんだな。削れるくらい顔を歪めて食べたんだ。
それから数分‥9時53分ごろか、それまで昼間に見る細い目だったのに、くるくるの目になった。天国に旅立った瞬間。
だんだんと目の表面にうすーい、膜が張った‥

ほんとに、母さんの腕の中で静かに逝ってしまった‥
ありがとう
ありがとう

どんなに、ありがとうを言っても、もう帰ってこない。もう、鳴いてくれない。
どんなに、優しい気持ちになれたか。
どんなに笑わせてくれたか。

一生懸命、食べてくれた。
一生懸命、食べようとしてた。
嫌がるお風呂で、何回、血のついた体をあらったか。最後の方は嫌がる事もせずに、されるがまま。

ホームセンターで、雄磨が見つけて、貰って来てから 13年と１ヶ月。

コタツが嫌いで、掃除機が嫌いで、多分、自分はネコだと思ってなかったはず。

癌にむしばまれて、それでも、頑張ったな、めい。
ゆっくり寝てええよ。

ビールの空き箱をお店からもらって来て、バスタオルの上に^_^もめいを寝かせた。
めいの写真をカメラのキタムラで作って、手紙を書いた。

月曜日、めいが過ごした津山の家を見せて、ぺけと同じところでサヨナラした。
体の上にはたくさんのご飯を置いて‥手紙と写真も一緒に。

骨だけが、残っためい。お腹の中にも癌があったのか？一部黒くなってた。
熱さのせいで、火葬の後は、骨が逆さに反れていた。
とうとう、小さな骨壷に入ってしまった‥めい。
膝に乗ってきたら
重たくて足が痺れるくらいだったのに、軽く軽くなってしまった。
13年は早すぎた。

早すぎた。

めい、怒ってるか？恨んでるか？

めいがいなくなって、そこらじゅうの壁を拭いた。ヨダレと血が飛び散った壁。
食べた後、痛くて痛くて、暴れて飛び散った血の跡。
こんなとこにも、こんな、高いところにも‥

ごめんな。気づくの遅くて。
ごめんな。お腹いっぱい食べさせてあげれんで。
ごめんな。寂しい思いもさせて。
ごめん、めい。

めい、ありがとう。
ありがとな、めい。

忘れないから‥‥大好きなめい。

めいと出会えて幸せだった。