未だにたまに思い出す苦い思い出です。
社会人になったばかりの私は、下に飲食店のテナントが入ったアパートで一人暮らしをしていました。
下のテナントに、営業したりしなかったりの居酒屋?というのか?飲み屋さんがありました。50代位のママさんと30代後半ような男の人のお店でした。
そこにママさんがスピッツと秋田犬を飼っていました。
私は犬も好きなので、よく撫でたりしていました。
ママさんと男の人とは軽い挨拶程度の関係でした。
ある日それは起きました。
外で飼われていた秋田犬がやたらと鳴くようになったのです。
変だな?と思っていると、近所の人がご飯をあげてました。
どうしたのか聞くと、ママさんは入院してしまい、どうも2日前から男の人も店に来なくなったというのです。
えっ!?
中にスピッツいるよね?
よく聞くと、スピッツは中から扉をカリカリしていました。
近所で話し合い、大家さんに連絡することになりました。
経緯は忘れましたが、私も立ち会うことになり一緒に中に入ると、ドッグフードが散乱し、排泄物も散乱した状態でした。
ママさんは当面退院の目処もたたず、どうやら内縁だったその男の人は、お金だけ持って支払いや借金を残して行方不明になってしまったようでした。
大家さんや近所の人から出た言葉は、
「犬保健所に持ってかないとね。」
でした。
私はハッ!として、貰い手を探すので1週間待ってほしいことを話し、1週間だけ待ってもらえることになりました。
職場にチラシをお願いしたり、親戚に電話をかけまくりました。
結果、スピッツは次の日に私の親戚に貰われ、秋田犬は数日後、親戚の叔父さんの知りあいが工場の番犬に欲しいということになり貰われていきました。
それから数ヵ月後、叔父さんと会う機会があり、「秋田犬、あれから噛みつき起こしちゃって、保健所に出されたよ。」と言われました。
えっ!って思ったけど後の祭りでした。
その頃は今みたいに知識もなく、なんで…どうして…的な気持ちと罪悪感に苛まれました。
スピッツは大事にされすぎて、スピッツとは思えない肥満体になり、寿命を全うしました。
犬には、狂犬病予防法により明確な所有権が発生します。
社会人に成り立て20代の私に、あの時、秋田犬を救うことが出来ただろうか?
しかも噛みつき事故を起こしてしまった大型犬。
叔父さんが気を使って連絡もくれなかった半人前の私に、何か出来ただろうか?
今考えれば、私のしたことは、譲渡先を探し代理譲渡をし、譲渡先で犬を保健所に出されてしまったという顛末。
今ならば、その後どうですか?など確認をすることも出来る私ですが、あの頃はただただ、保健所に出されなくて済んで良かったで終わってしまった訳で。
知りあいの医師とサモエドの話をして、またふと思い出して、モヤモヤな夜中です

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