ちょっといい話し。

2019年5月17日(金) 520 / 8

　私の住む団地は高齢化が進んでいる。４５％が高齢者らしい。
　
　今までまったく付き合いの無い団地内のＡさんから、ゴールデンウィークの数日前に相談を受けた。

　Ａさんは８０歳代、隣のＢさんも８０歳代で、Ｂさんが今年の２月下旬に庭で転んで骨折したらしい。Ｂさんは入院。Ｂさんの飼い猫９歳のミーちゃんの世話を、Ａさんは頼まれた。
　しかし、Ｂさんは入院中に認知症を発症、病院から施設に移って、もう自宅に戻る可能性は無い。

　時々Ｂさん宅に来るＢさんの娘は、ミーちゃんのことにまったく関心無し。

　Ａさん自身が高齢で、この先いつまで続くかわからないミーちゃんの世話に不安を感じていると言う。

　当然だ。

　Ｂさんの全財産の管理をまかされたという娘には、ミーちゃんの世話をする義務がある。

　それで、Ｂさんの娘と、力になってくれそうなＢさんのケアマネージャーに手紙を書いた。

　Ｂさんの娘には、お母さんが１０年近く可愛がっていて、お母さんの癒やしになっていたミーちゃんの行く末を真剣に考えてほしいこと、引き取ることができないなら、有料の老猫ホーム(費用１００万円強)か猫シェルター(３０万円弱)に入れることを検討してほしいこと。それに動物愛護法で、飼い猫の遺棄には厳しい罰則があるという多少の脅しも加味した手紙。

　Bさんのケアマネさんには、ミーちゃんを老猫ホームか猫シェルターに入れるために、どうか力を貸してほしいと切々と訴える手紙。

　２通の手紙をＡさんに託した。

　そして、ゴールデンウィークに突入したので、私は南半球にＧＯ！

　ゴールデンウィークが終わって１０日が過ぎても、Ａさんからも娘からもケアマネさんからも何の連絡も無かったので、Ａさん宅に行ってみたが留守。翌朝電話してみた。すると、解決したとのこと。

　Ａさん談
「手紙を読んだケアマネさんが奔走してくれたんです。Ｂさんは施設を移ってしまって、もうケアマネさんの担当ではなくなったのに、ミーちゃんの将来を心配して、市役所に電話して、隣の市の動物愛護推進員さんを紹介してもらって、その推進員さんに事情を話して、隣の県に新しくできた保護猫カフェに入れてもらえることになったんです。昨日、ミーちゃんを迎えに来て連れて行きました。１ヶ月くらい健康チェックしたりして、それから保護猫カフェに連れていくそうです。」

　娘の話はまったく出てこなかったので、娘には手紙を渡せなかったのかもしれないし、渡して完全に無視されたのかもしれない。

　ちょっと拍子抜けしたけど、結果オーライ。

　ミーちゃんは路頭に迷うこともなく、これからの居場所が見つかった。もうすぐ１０歳だから、里親探しは難しいだろうけど、もしかしたら老夫婦が一緒に歳を取りましょうと迎えてくれるかもしれないし、とにかく暑さ寒さや飢えに苦しむことは無い。

　ケアマネさん、ありがとうございます。
　もう担当でなくなった患者の、自宅に置いてきぼりの猫のために奔走してくださって、感謝しています。

　素晴らしいケアマネさんと、役立たずな猫好きさんのお話しでした。

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