動物取扱業者と捨て犬捨て猫

2019年6月18日(火) 2019-06-18T15:39:50+09:00 440 / 0

まず、第一種動物取扱業は動物の繁殖・販売、保管、展示、貸し出し、せりを生業とする業者が得なくてはならないものなのですが、これには一つ非常に不具合な条件を飲まなくてはなりません。
それは、業者が捨て犬捨て猫を発見しても、また敷地内に動物が捨てられていても、保健所は引き取りを拒否するということです。つまり、捨てられた動物なのに、業者は飼育するか、自分たちが貰い手を探さなければならない。
一応、地域によっては条件付きで保健所が引き取りに応じたり、警察に事件として立件してもらい（現行法では動物の遺棄は犯罪ですので）その後に警察から保健所に連絡を入れてもらい引き取ってもらうというところもあります。
これは甚だよろしくないと思います。なぜなら、予期せぬ動物が増えることで本来の世話ができにくくなったり、費用が余計にかかってしまう。すでにこの不具合は発生しています。
動物取扱業は本来動物が安全、健康に飼育されるための法律のはずです。それが阻害される。おかしい話です。
第一種動物取扱業者はそういうリスクも抱えているわけです。

当方でも時折、子犬や子猫がいつのまにか敷地内に捨てられているという事件に遭遇します。その度に貰い手を探すのですが（そのため用に譲渡契約書も作成しています）正直非常に手間です。しかしやるしかない。
まだ目も開いていない子犬にミルクをやったり、仕方なく同じくらいの日数の子犬を抱えている母犬に一緒に世話してもらう。捨てた人たちは一体うちをなんだと思っているのか？時々悩みます。

うちは犬でしたのでまだ良かったのです（ある程度ノウハウがありますから）知人宅（大型洋犬種のケンネル）は生まれたばかりの子猫がダンボールに入れて置かれていました。私に緊急コールが入って、「どうしよう」と。夜中に車飛ばすこと片道１５０キロ、うちにあった子猫用の哺乳瓶の乳首と粉ミルク持って応援に行きました。行ってみたら六匹の生まれたばかりと思われる子猫。中の一匹は前足が片方ちぎれそう（一体何があったのか？知人も血のついた段ボールで子猫たちに気がついた模様）。応急処置して全員にミルク（これがなかなか飲まない）与えて保温して、朝一で獣医。結局怪我をした子は前足切断になりました。
子猫たちは知人一家の努力があって、六匹中四匹が育って推定生後三ヶ月ごろに三匹もらわれて行きました。残ったのはあの前足切断した子。無事危機を乗り切って現在知人宅初の飼い猫（完全室内飼い）になっています。

第一種動物取扱業者は犬猫を産ませるだけ産ませて販売しているイメージですが、個人個人はこうやって捨て猫や捨て犬を育てたり無償譲渡に出していることもあります。当然、それは必要に迫られてのことですが。ただ、そういう捨て犬や捨て猫を見つけたら見殺しにできない人たちもいるということです。それは保護団体や保護活動家とは違うけど「捨てられていた命をどうにか永らえさせて次につなぐこと」には変わりないでしょう。