色々考えさせられる💦

2019年6月19日(水) 2019-06-19T21:48:15+09:00 474 / 8

「犬のケンネルを営んでいる方から自分の保護した里親募集中の猫に対して応募があったとしたら」
「自分では犬を繁殖させて販売しているのに、ペットとして飼いたい猫は無料(もしくは安価)で探す人は信じられない」という回答があって、ちょっとそれは過剰反応では…と思ったし、でもそういう考え方もあるんだなと思いました。
私はケンネルやキャッテリーなんかの犬種猫種を守っていく方たちに対しては、その活動や労力が、ただ単にすごいなって思います。だって犬猫問わず純血種の血脈はそのまま、それ自体が人にとっての歴史だったり文化だったりする訳で、それを理解して守っていきたいという考え方は否定できないし、色んな労力がある事だと思うので。

例えば私の故郷には紀州犬という犬種が昔からいるんだけども、今は色んな事情があってその存続は難しくなってきている。ほかの犬種との交配や、紀州犬自体への関心の薄さ、あと住宅事情や高齢化。
個人の力ではどうしようもない事ばかりで、仕方ないと言えば仕方ないんだけど、でも子供の頃から身近に、どこでも見かけていたあの白くて三角の目したわんこがいなくなってしまうのは、やっぱり悲しいなと思う
なので、犬猫の純血種を繁殖販売している人を一概にすべてを悪だとは私は思えないし、ケンネルを運営しながらペットとして猫を飼いたい、そしてできればその子は行き場のない子から探したい。という気持ちは理解できます。
でもまあ、それなら保健所や動物病院からもらうとか、仮にも動物取扱業なんだからツテはいくらでもあると思うし、そもそも愛玩動物の命を扱うビジネスの傍ら、野良猫や地域猫に否定的な事が、私には全くもって理解不能です。

「敷地内に犬猫捨てられる事なんてしょっちゅうで、保健所は引き取りしてくれない(動物取扱免許があるから)それでも私は頑張って引き取り先を探している」という日記があげられているけど、
そんなの当たり前じゃないですか。むしろ、そういう気持ちがあるならばどうして団体やボラを、TNRを否定できるのかが全く分からないし、そこんとこを理論的に、倫理的に、詳しく説明してくれていない。だから皆さん違和感感じるし、なんで?と思うのは私も同じです。

持論というかその主張の中で、私がまず最初に思ったのは、例えば去勢避妊されていない野良猫に餌をやらなくなったとして、その猫は果たして繁殖しなくなるだろうかって事です。長年猫と関わってきた人なら多分同じ事思うだろうけど、普通に考えて、「します」「絶対します」としか答えられない。栄養状態が落ちたからといって、避妊去勢しない限りは繁殖能力はなくならない。ご飯をもらえなくても、猫は犬と違って個体で生きるハンターですし、外の世界には色んな栄養源もあります。虫とか鳥とか爬虫類とか、都会なら人が出すゴミもそうです。
むしろ飢餓状態にある方が種の存続の本能に従って繁殖するのでは?

総括として、私はこう思います。
「避妊去勢手術をしていない、またはする気もない野良猫に餌をやる人」が、野良猫を繁殖させている事実は確かにあります。その現実と、愛護団体や個人が推奨している猫に対してのTNR活動を混同しないで頂きたい。餌がある場所に猫は集まります。その中には捨てられた子もいるしよそから流れてきた子もいる。なので増えていると感じる現場もあると思います。ですが、TNR活動で猫が増える事は絶対にない。なぜか。だって避妊去勢しているから。

増えるとしたらばそれはその地域の住民の、猫に対しての意識が低いだけ。そうした人たちの意識改革を愛護団体やボラさんたちが叫んでいる現状を無視した上に敵視するのは、少しでも動物に関わっている人間としてどうかと思う。NTRのR、リターンをせずに終生飼育は確かに理想ではあるけれど、できないという現状の原因や理由はその現場にいる猫や、その猫に関わっている人たちの数だけ、つまりは無数にある。
そういった様々な事情を抱える実情に対して、私はその主張や意見にはどうしてもぬぐえない違和感がありました。

私たちが共通して責めるべきは「無責任に餌やりをする人」です。残念ながらこういう人達は老若男女問わず日本全国にいます。近年に飼育に当たって法整備が進んだ犬とは違って、猫に関しては登録もワクチンも必須化されていないし、なので犬よりも飼育に関するモラルが低い人達が大勢いるのが現状です。そしてその意識を変えていきたいという気持ちで、団体もボラさんも、個人のみなさんができる事を模索しながらそれぞれ動いている。

個人的には、自宅の敷地に遺棄があって、譲渡に奔走した経験があり、動物が好きだと言うのならば、色々しらべるだろうし、地域猫、野良猫、TNRを取り巻く環境を少しは理解できても良いように思います。