東京でビスコを執刀して下さった先生を、O先生とし、わたしの地元の先生をT先生とします。
東京には、T先生が学会に赴く時にビスコも同行し、その際にO先生がビスコを診て、手術をしてくれました。(わたしまで同行はできませんでしたが)
東京に行くまでに、どのように手術する予定かを伺ったところ、それは、T先生の方法からさらにエキサイティングなものになっていました。
それは…
「上の歯を全部抜く」
「それで下の歯が刺さったり支障がありそうなら、下の歯も抜くか、削るかする」
………!!!
なぜ全部抜くかというと、抜く必要があるくらい、上顎の欠損が激しいから。
歯を抜いて、上顎に残されている硬口蓋を幅広く利用(スライスして中央に寄せて縫う)しないと、空いた部分を埋められないから、ということでした。
理屈は非常によく分かるのですが、そこまでしないといけないものなのか、と内心ショックではありました。
が、ここでお断りしたところで、それ以上の最善の道がないことでもあったので、心の中で泣きながら、ビスコを東京へ連れていくようT先生にお願いしたのでした。
T先生曰く、O先生の手術は素晴らしかった、すごい手際だった、ということでした。
術後は、手術した病院でそのまま経過を見るために入院。
1ヶ月くらい経ったときに、たまたまわたしの東京出張があり、様子を見に病院を訪れたところ、そこでもビスコはご機嫌で、誰でも大好きだったので、スタッフの方からとても愛されていました。(本当に誰でもいいみたい…)
その時、わたしはビスコを見て帰るだけ、のはずだったんですが、なぜかもう連れて帰っていいと言われ、ろくな準備もできないまま、大荷物とビスコのキャリーを抱えて新幹線+高速バスで青森へ帰ってきました…
その手術を終えてから、ビスコには口から飲み食いなどできないようにエリザベスカラーと、喉のわきから胃に直接ホース状の管が取り付けられていました。
他の猫用のフードを食べられないようにしたり、喉のホースへシリンジで液状フードを与えることの手間や衛生面で神経を使うことが、以前に比べて非常に困難で、帰った翌日にすぐT先生に相談に行ったところ、素人ができることではない、ということで即入院。
自由はたった1日。
また入院する事になったビスコは気の毒ではありますが、わたしの世話で万が一何かに感染したりという危険性があるよりは、病院で完治するまで経過を見てもらったほうが安心です。
手術したところは、少し開いてはまた縫って塞ぎ、の連続で、いまは80%くらいが塞がったそうです。
残りの部分は、ビスコの硬口蓋が再び肉付きがよくなり、塞げるだけの量になったら、またスライスして縫って塞ぐということでした。
なので、ビスコはいまだに入院中で、時折東京に行って手術されています。
口蓋裂が完治するまでには、あと何ヶ月か、かかると思いますが、素晴らしいサポートをして下さる先生方に恵まれ、本当に感謝の念でいっぱいです。
ということで、口蓋裂について、終わり。

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