ある日のこと。
平時、仏頂面の主人がるんるんしながら帰宅した。
何やらレジ袋に入ったものを抱え、一目散にお嬢さんたちの元へ。
「お嬢ちゃん
いいもの買ってきたよお~」
主人の声に集まった
お嬢さん達の眼前で、
るんるん顔の主人が
レジ袋から取り出したものは

いわゆる〃猫草〃
どうやら仕事関係の猫好きさんから情報を仕入れてきたらしく、猫草を食ませることによりネコの体内に溜まった毛を出させる良い効果があり、かの猫好きさん宅では猫草は瞬時に食い尽くされてしまうと聞いたもので、恐らく主人の頭の中ではそんな期待がぐるぐるしているのだろう。
ところが、だ。
主人の期待ぐるぐるとは全く真逆の事態が展開する。
好奇心旺盛な、きなこちゃんは
猫草に興味を示して匂いを確認し…
主人の期待通りに食らいつくかと思いきや、猫草を咥えて抜いて遊び始めた。
ツンデレで臆病な琥珀さんは
それを眺めて様子を見、
きなこちゃんが飽きて猫草鉢から離れると
猫草鉢にアタックしてひっくり返した。
その後、
ぶいっと部屋を去る。
主人の落胆はいかばかりのものだったか。
その後、1週間
主人を気の毒だと思ったのか息子たちが猫草を何とか食べさせようと、お嬢さんたちを誘導したが、お嬢さんたちが猫草を食むことは一度たりとて無かった。
「猫草なんか捨てちゃってよ」
そんな主人の言葉が痛々しい。
私の実家にいた猫たちは猫草が大好きだったので、お嬢さんたちの反応は意外だった。
陰ながら私も、お嬢さんたちに猫草を食ませる試みをしたものの、いい反応を引き出せず終いで、今も猫草はキッチンの窓辺にぽつねんとしている。

(あたくし虫ではありませんし)

(葉っぱより、お肉くださーい)
仕方ないから刻んで(猫ごはんに)混ぜるか。
梅雨らしい涼やかな日。
皆さま健やかにお過ごしください。
※コメント不可にて。
最近のコメント