私は子猫の保護に取りかかる。
子猫は7匹。
1.5ヶ月3匹はチョロチョロ姿を見せるがなかなか捕まらない。
家主にキャリーケースを渡し、子猫を捕まえたら連絡をくれるように頼み、乳飲み子4匹の様子を確認するつもりだった。
乳飲み子のママは3歳の三毛猫。
私は昨日ママと会っていた。

ママはチュールをかけたフードをガツガツ食べてくれた。
酷い環境だが、ママにはお腹いっぱい食べさせてやりたい。
ママを刺激しないよう、今日はちょっとだけ見せてもらおう。
いつものように店舗の扉を開け、家主に声をかけると、
「子猫が1匹死んじゃったよ。」
「えっ!」
強い口調で問い詰める私に、バツが悪そうに家主が説明する。
ママは子猫を寝室から移動させた。
よちよち歩きの子猫達はあちこち動くようになる。
家主は上から洗濯カゴをかぶせ布をかけ、重しを乗せ子猫達を閉じこめていたらしい。
そして時間を見て三毛ママを連れて行き、お乳をあげるようにしていた。
一番大きなグレーがゴミの隙間と籠の縁に首を挟み不幸にも死んでしまった。
なんてことをしているのだ!
私は2階に行き、家主がかぶせていた洗濯カゴを見つけグレーの亡骸を探す。
周辺のゴミをよけ、グレーを探したが見つからない。
その時、ようやく気がついた。
成猫の歳と頭数から考えると猫が少ないのだ。
このゴミの下には生きられなかった子が眠っている。
今回と同じように、あってはならないことで亡くなった子がいるに違いない。
グレーを探し、更にゴミを掘り起こした私が見たものは、白っぽい毛の固まりと干からびた骨のようなものだった。
ぞわっと鳥肌が立ち、とてつもない恐怖が私を襲った。
私は家主とゴミ屋敷を甘く見過ぎていた。
全ては家主と積み重なったゴミのせい。
もう駄目だ。家主には任せておけない。
子猫達を助けなければ。
気持ちを落ち着かせ、生き残った乳飲み子3匹と1.5ヶ月の茶トラを捕まえキャリーケースに入れた。
残りの2匹は明日獲りにくること、そして亡くなったグレーを探しておくようにと家主に伝え、病院まで自転車をとばした。
続きます。
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