
原因は誤飲。
うたた寝していた私のシャツの裾を食べ、腸に詰まり、嘔吐を繰り返した。
都内の病院で検査をし、即日手術。
負担を最小限にするため、腸の異物を押し出し、便と一緒に出してもらった。
実は、今年の正月も同様の手術をしている。
短い間に2度も私の不注意で辛い思いをさせてしまった。
1歳を過ぎたバースの体重は4キロ弱だったが、正月の入院時は3.6キロ、5月には3.4キロと減少していた。
私は昨年、知人の保護猫に新しいお家を探す為、譲渡会参加が続いていた。
そして自身の体調不良も重なり、バースが痩せていることに気づいたのは12月頃だ。
成長が続くバースにはフード量が足りてないと診断された。
吐き戻しがあるバースに、食事の回数を増やしたり、フードを見直したりと、試行錯誤している最中に誤飲が起こった。
そして、また5月に誤飲させてしまった。
現在は、フードを変えて1回15g強+αを1日4回、おやつにミルクを与えて、4キロ弱まで体重が戻った。
吐かないように、1回の量を時間をあけて食べさせ調整している。
誤飲については、外出と就寝時には布ものを置かないようにするしかない。
甘えの要求にはできるだけ応えているが、私の手をあまがみするのはずっと止めない。
ケージ飼いも考えたが、新たなストレスが生じることも考え、暫くはこの状態で様子を見るつもりだ。
この一連の日記は、自分を戒め、改めて命と向き合う為に書いたもの。
メールや当時のメモを見ながら記憶をたどり、ありのままを書こうと決めた。
酷い環境から必死に助け出した私自身が、バースを危険な目に合わせてしまったのだ。
全部私が悪い。飼い主失格だ。
精力的にTNR活動している方ならば、良くある現場なのだと思う。
しかし初めての私にはとても過酷だった。
腹を括ったはずなのに、心が折れそうになりながら必死で取り組むしかなかった。
最初のTNR終了後が、精神的に一番辛く厳しい時期だった。
こんな出来事がある。
ちびちび3匹の通院時に、あるご婦人から「保護されたんですか?」と話しかけられた。
「はい。」とだけ答えた私に、
「猫の為に助けてくれてありがとうございます。」と思いもよらない言葉にとても驚きアワアワしてしまった。
後でスタッフさんに聞いたら、親子二代で保護活動をされている有名な個人ボラさんだと知った。
帰りの車内で、夫にあったばかりの出来事を話しながら、私はこらえきらずに泣き出してしまった。
気づいていれば助けられた子猫。
覚醒させられふらつきながら逃げ惑う猫をゴミ屋敷にリターンするしかない現実。
きれいごとだらけの傲慢で不実な嘘。
こらえていた感情が一気にあふれだしたのだと思う。
ゴミ屋敷の家主は、アニマルホーダーだ。
認知症ではない。
片付けはできないが、私の連絡先やTNRのスケジュールメモを固定電話がある壁にガムテープで貼っていた。
金銭面も把握しており、TNRの領収証にも目を通し記憶力も良い。
そして、ゴミ屋敷ではあるが炊事も洗濯もやっていた。
1頭づつ引き出して里親さんを探そうと説得しても、せっかくお金を払って手術したのだからと拒絶された。
臭いとゴミにまみれながら必死に生きていた猫達を助けたかったが、私はあきらめるしかなかった。
2019年9月初旬、敬老の日が近いこともあり、お菓子を持参して家主を訪問した。
そこで、私はとても重大なことを知り驚愕する。
詳しくは書けないが、家主は数年前からあることに関わっていた。
何度か全く連絡が取れないことがあったのもそれが理由だ。
この一件で、協力的だった夫に関係を断ち切るよう厳しく言われ、私自身も潮時だと実感する。
それからは、たまにかかってくる家主からの電話で猫達の様子を聞きながら世間話をし、2019年12月初旬に訪問したのが最後となった。
その後は、月に数回ゴミ屋敷前を通り、車内から家主と猫を確認するだけにとどめていた。
ゴミ屋敷の異変を感じたのは今年の7月半ば。
仕事帰りの夫が変化を感じた。
電話してもつながらず、訪問もしたが誰もいない。
ご近所に聞き込みをしたところ、家主が入院していることを知った。
5月頃、倒れている家主を息子さんが発見し、救急車で搬送されたこと。
もう家には帰れない状態であること。
そして猫達は、ご飯はもらっているが窓から出入りしているようで、今は2匹ぐらいしかいないこと。
ご飯をあげている人は同じ党支持者であること。
たまに息子さんが深夜に来ているらしいこと。
最後にかなり借金もあったと聞いた。
ここまで話してくれたのは、連日訪問していた私のことを覚えていてくれたから。
残った猫達だけでも助けたいと私の連絡先をドアに貼ってきたが、未だ息子さんからの連絡はない。
もしかしたら猫達はもういないのかもしれない。
だとしたら私に連絡する必要はないのだ。
最後に家主と話したのは、昨年末の電話。
ハムをもらったので私にあげたいと。
私はいらないからおじさん食べて。猫にあげちゃダメよ。猫はみんな元気?
そんな会話をかわした。
家主の姿を最後にみたのは、3月頃だったと思う。
店舗のソファーに座り、この日記に度々登場する三毛ママを抱っこしていた。
三毛ママはバースのおばあちゃんにあたる。
バースの異食はママと一緒に保護していたら、避けられたかもしれないと思っている。
ママと一緒に新しいお家が決まり、幸せになっていたかもしれない。
病気だとウソをついてでもリターンせずに保護すべきだった。
少なくともママと茶白は助けることができたかもしれない。
だがもう遅い。全て終わったのだ。
初めてのTNRは、自分の甘さや浅はかさを改めて実感する結末となった。
ゴミ屋敷のTNRから半年後の2020年初頭、私は沢山の猫をかかえる危険な保護主と知り合う。
彼女もまた家主と近い位置にいる。
昨年夏、1歳をとうに過ぎ、性ストレスをかかえたメス2匹を手術するため、一年ぶりに件の保護猫病院を訪れた。
1匹は無事新しいお家が決まった。
そして年末、彼女は更に猫を保護した。
今は何匹いるのだろうか。
年末の保護以来、私を避けている彼女だが、私はポツポツと連絡をしている。
昨年彼女は数頭の成猫を亡くしている。
医療を受けさせる余裕がないのだ。
彼女にも猫にもこれ以上辛く悲しい思いをさせたくない。
譲渡会に参加させてくれる団体もたくさんある。
彼女が勇気を出して1人でも活動できるまで付き合おうと思っている。
私は相当しつこい。
ネコジルシの皆様。
長い長い日記にお付き合いいただきありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
日記≪10≫はなげーよ!
あとがきも超なげーよ!
と自覚しています。
しつこさ満載の日記はこれで終了です。


現在のバース。
とっても元気です。
またいつものトーンに戻ります。
※調子に乗ってコメント開けてみました( ´∀`)
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