朝の申し送り前で課長が言った。
「駐車場で子猫が産まれたのでどなたか貰い手になってくれる人は事務までお願いします」
いつかは猫様との生活を夢見ていた。犬、ウサギ、ハムスター、金魚、ザリガニ、インコ、と様々な動物を飼っていたが父も母も猫だけは許しがでなかった。悲しいかな弟は猫アレルギーであった。いつかは、いつかはと思ってはいたが結局実家を出たあともペット不可の小さな1DKに住んでいたし夜勤も月7~8回入っていたため殆ど諦めていた。
(様子だけ見に行こう)
見に行くだけ、見に行くだけ。

そこには天使がいた。ふわふわの毛、仔猫特有の高い鳴き声、キトンブルーのつぶらな瞳。仔猫は5匹いたが際だって天使がいた。いやもうそれは天使というよりもangelであった。ふわっふわっで長めの毛にまさに天使の証の白...。
(かわいいけどうちペット駄目だ)
ひと目見て幸せを噛み締めてその日は帰宅となった。




















26
最近のコメント