K君といいます。
そのK君が学童へ来て、玄関先に荷物をほっぽって消えてしまったので、どうしたんだ~~~とあわてていたら、探していた方向とは逆のほうから何食わぬ顔で戻ってきて、人の顔見てニコニコ~~~ッと・・・そして、そのまま奥の部屋へしゅっと引っ込んでいってしまいました。
そこは、なかなかまわりとうまく関われないK君の隠れ家みたいなもので、同じように静かに遊びたい子や、ほっとしたい子とともに工作や、読書などをして過ごすのです。
まぁ、無事に戻ってきたからいっかな~とこちらも部屋に戻り、他の子どもの応対をしたり遊んだり暴れたり暴れまくったり暴れすぎたり。
そんな時。
ふと見ると、K君が私の横に来て
『ちょっと手貸して』
と言ってくるので
『ハイ』
と右手を差し出すと
『ちょっとこっち見ちゃダメだよ』
と、なにやらごそごそ。
『ハイ、もういいよ』
と言われて手を見ると。

K君は、学童に来る途中に咲いていたこの花で、私に指輪を作ってやろう、と思いついたんでしょう。
だから、荷物を仕舞うことも忘れてすぐに外へ飛び出して行ってしまったみたいなのです。
『君にだけだよ』
そんな口説き文句、殺し文句まで添えてのプレゼント。
不覚にも嬉しくて泣きました。
名前を覚えてもらうまで一年以上掛かった子です。
して欲しくないことを知っててやってしまう子です。
口さがない古い指導員からは疎まれてしまうことも多いのです。
それでも、この子には愛が一杯あるのです。



















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