
私、原作の漫画から入ったので、どうしても狂児さん役は綾野剛さんじゃないだろと思ってしまうのですが、結論から言うと良かったです。
監督は⼭下敦弘さん、「天然コケッコー」の監督さんです。
「天然コケッコー」も漫画が原作で、くらもちふさこさんの代表作ですが、この原作も個人的に好きです。でも映画は未見。
で、この監督さん、確かこの「天然コケッコー」で賞を取られてて、なんかそーゆー青春群像?っぽい映画撮るのが上手い監督さんなんだろうなーという漠然としたイメージしかありません。
それで映画を観た感想ですが、ストーリーの大筋は原作通りなんですが、原作が単行本1冊分の内容なので、尺を伸ばすべく所々映画オリジナルの変更がされています。
それはアニメも同じなんですが、この作品はそれが映画的表現でなされているというか。
映画なんだしそりゃそうだろ、って言われればそうなんですけど、最近の漫画実写化って場面やセリフなんかも原作通りが良しとされる傾向があるじゃないですか。
でもこの映画は、「原作のあの場面、どういう風に実写化されるのかな?」という観る側の期待をいい意味で裏切っていくスタイルというか、結構オリジナルの要素が強めで、でもそれが映像ならではの自然な表現なんですよね。
最近はセリフなどやたら何でも説明過多なので、そういうところが良かったです。
例えば、原作は聡実くんのモノローグのセリフで笑わせる場面が多くあるのですが、映画ではそういうのが一切ない。
「前奏42秒の間に逃げられたなぁ…」とか「あの絵文字が脳裏に焼きつき僕をイライラさせるのでした」とかそういうのが一切無くても、役者さんの表情やしぐさなどで性格や心情を印象付ける。
場面構成や展開も微妙に違ってるんだけど、原作の世界観がしっかり伝わってくるんですよね。
同じ合唱部員の和田くんや副部長、副顧問の先生もこんな人いそうな感じでキャラ立ってていいし、オリジナルのキャラクター、映画を見る部部長の使い方も上手い。
これは映画オリジナルの設定で、部員は部長一人、あとは聡実くん含む幽霊部員のみという、活動がVHSテープで古き良き時代の白黒映画をただ観るだけの部なんですよ。
そこで映画を観ながら行われる部長との語らいは、聡実くんが唯一本音を語れる場所として設定されてる感じなんですが、そういうオリジナルシーンも無理なく組み込まれていて、いいなーと思いました。
こんな感じで、漫画原作を元に映画職人が原作のイメージを壊さずに作った質のいい青春映画という感じでした。
原作を読んで観るとそういう違いも含めて楽しめる作品だと思います。
もちろん、読んでなくても楽しめますが。
だけど何度も言ってますが、狂児さん役の綾野剛さん…。
これはこれでアリと言えばアリなんだけど、やっぱりイメージ違うんだよな〜。
まぁ、これはただの個人的好みなので💦
ファンの方、すいません🙏
しかし、久しぶりにじっくり映画観ましたー。
普段あんまり映画観る時間なくて、映画館へも最近はアニメしか行かないし、たまーにテレビでやってるの観ても時間返せーみたいなのもあったりなどして😅
でもこの作品はオリジナルの要素を含めて楽しめ、観て良かったなーと思える実写映画化でした。
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