鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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14日目「2年前ならハッカが好きな猫がいた。」
2025年12月27日(土) 177 / 0

私は今、台所に立ったまま紅茶を飲んでいる。
2号が紅茶の匂いを嗅ぐと酩酊状態で大暴れするからだ。

最初の何日間は気が付かなかった。
私と母が食事をする時はテーブルの上に飛び乗ると危ないので、サークルに入ってもらっていたからだ。

食後に外に出した際に近い場所に座る母ではなく遠い場所に座る私の方に駆け寄ってくる事はあったが、ソレは元の飼い主と年齢が近い私の方に親近感を持っているからだと思っていた。

…しかし、2号が気に入っていたのは私ではなかったのだ。

朝食と夕食の後、私は紅茶、母はコーヒーを飲む習慣がある。
私は数年に一度くらいの頻度でコーヒーを飲む事はあるが、母が紅茶を飲む事は一切ない。

私と母は食事を準備する合間にお気に入りのマグカップに紅茶とコーヒーを淹れると、ラップを掛けて冷ましておく。
そうすると、猫舌の私と母も食後にちょうど良く冷めた紅茶とコーヒーに舌鼓を打てるからだ。

今日はいつもより少し早めに部屋に解き放たれた3匹は、各々が行きたい場所に駆けていく。

1号は棚の上で日向ぼっこ。
3号はラックでロッククライミング。

そして、2号は真っ直ぐにテーブルに向かって私のマグカップの匂いを熱心に嗅ぎ始めたのだ。

ラップを掛けているので紅茶を舐める事は出来ないし、冷めているので火傷の心配もない。
しかし、マグカップをひっくり返すと危ないので2号を抱き上げて遠ざけようとした。

2号はご機嫌だった。
ゴロゴロと喉を鳴らしながら必死に身体を伸ばし、紅茶の匂いを吸い込もうと鼻を引くつかせている。

「マタタビかよ…。」

ぐにゃぐにゃと楽しそうに身体をくねらせる2号を見ながら、謎が解けた私は途方に暮れた。
2号が私に気を許しているのは事実だろうが、それには理由があったのだ。

私は一日に二回、紅茶を飲んでいた。
対して、母は紅茶を口にしていない。

紅茶の匂いが好きな2号は私から漂う紅茶の残り香に反応していたのだ。

「…参ったね。」

いくら好きな物でも、与える事が出来ない物はある。
私だって、一日にマグカップ2杯分しか飲まないようにしているくらいなのだ。

母が居間で3匹の猫を眺めながらコーヒーを楽しむ間、私は台所で一人寂しく紅茶を啜っている。
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