執事は進化した!?

2011年10月23日(日) 348 / 8

最近早く寝ることが多かったのだが、昨夜はさだまさしのテレビが放送されるということで久々の夜更かしをした執事。

１時をまわるころ、王子の「そろそろ寝ようぜ」攻撃が始まった。
だが、まさしはまだしばらく終わらない。しょうがないから王子にはお先に２階へ上がってもらうことにした。

小１時間ほど後。寝支度を整えて扉を開けると、そこには忠犬ハチ公のごとく健気に佇む王子の姿が。

「お……王子、もしかしてずっと待っててくれたの!?」

ハートを撃ち抜かれた執事は心の中で自分にムチ打った。
ああ、この子を待たせてまさしにうつつを抜かすとは!　私ってやつは、なんて大バカヤロウなんだ!!　

「王子っ！」と、あふれる愛情のままに抱き上げようとした次の瞬間。執事はその足元に転がる黒いものを発見しのけぞった。

「ぎぃ～～やぁ～～～～～～～～～～!!」

これまであんなに華麗な悲鳴を上げたことがかつてあっただろうか（いや、ない）。王子の足元には、もてあそばれて衰弱しきったＧで始まる黒いやつがひっくり返っていた。

なんのことはない、王子は執事を待っていたのではなく、御自らが仕留めた獲物をサディスティックに見守っていただけなのであった（涙）

いつもならここで最強のＧハンターである母が出動するのだが、あいにく昨夜は同窓会とかで奈良は吉野へお出かけ中だった。

ムカデは平気だが、Ｇだけは無理！これが執事である。

しかし、このまま王子がＧをお召し上がりになるなんてことは避けたい。かわいいお口からＧの足がぴよ～んなんて、もはやホラーじゃないか。Ｇを排除しないことには寝室にだって上がれない。う～ん、絶体絶命。

耳から煙が出るほど悩んだ挙句、執事は勇気を振り絞ってティッシュの箱を手に取った。そして――宿敵Ｇを生まれて初めて自力で成敗したのだった。

かくして、執事はちょっとだけ進化した。だがしかし、瀕死のＧがいきなり突進してきた時に口からちょこっと魂が抜けた分、トータルでは変わってないかもしれない。

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