まのん

奈良県 50代 女性 ブロック ミュート

猫の忠実な下僕を自認しています。 どうやらぬこぬこネットワークの支部のようです。

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マリア、ムゼッタ

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ムゼッタとの思いで
2014年2月22日(土) 376 / 0






我が家のムゼッタが2月19日朝9時過ぎに
虹の橋の向こうに行ってしまいました。
17歳、腎不全でした。
17歳までのムゼッタの思い出を。
1997年1月7日火曜日、雪の降る日にムゼッタは我が家にやって来ました。
生後2か月で500gほどの小さな仔でした。
たちまち我が家のアイドルになり、やんちゃで賢く可愛い仔は
家の中をあちこち走り回っていました。
避妊手術をした後に帰って来てエリザベスカラーをつけて
歩きにくそうにしていた姿は
本当に申し訳ないくらい可愛かったです。
そんなムゼッタの運命が変わったのが1997年12月の事でした。
朝、家の前の掃除をしていた母にじゃれつくように家から飛び出して来た
ムゼッタの前に通行禁止の道を暴走して来た車がいたそうです。
猫はこういった時に動けなくなるのですね。
車に撥ねられてしまいました。
瀕死の状態のムゼッタを抱えて来た母を連れて急いで
掛かりつけの先生に連絡し病院に向かいました。
そのまま手術になり、母と私は夕方までずっと待っていました。
手術は成功し命は無事だったものの、右目の視力を失い顎の関節がずれ
あちこち傷だらけでとても正視に耐えられるものではなかったのです。
それでもムゼッタの命が助かったという事に感謝しています。
それから10日間の入院生活でした。
毎日面会に行っていたのですが、その度にとても大きく悲しそうな声で鳴くムゼッタを見て私も母もとても辛く泣いていました。
面会のあと帰ってしまう私たちを見て
「置いて行かないで!」と叫んでいるようでした。
ようやく退院できたものの口を開けられないので首からカテーテルを通し
療法食をペースト状にして注射器で流し込む生活が始まりました。
食事の度にとても辛そうで辛そうで大変でした。
先生から「覚悟はしておいて下さい」と言われて
必死で死神と闘うような気持ちの日々でした。
そんな生活が3か月ばかり続く中で徐々に回復し、
ようやくカテーテルを外せるようになり
口から大好きなマグロのお刺身を食べた時の嬉しそうな鳴き声は
未だに忘れられません。

そんな中で知り合いのブリーダーさんから「いい娘いまっせ」
の誘いにうっかり乗って連れ帰ってしまったのがアメショーのマリアです。
一人っ仔でこのまま行くのも寂しいのかな?という
浅はかな考えでやってしまいました。
対面には気をつけていたのですが、やっぱり怒らせてしまって
世話をしてても蹴られるわ
口は利いてもらえないわ、と飼い主としては悲しい気分の日々でした。
その後も結局喧嘩するほどではなくても、
憧れの猫団子は結局最後まで見る事ができなかったのが…

弟が結婚して甥っ子が生まれたのもムゼッタには転機でした。
共働きの両親なので我が家によく預けられた甥っ子を見て
ムゼッタは自分の子供か何かと思ったのか、
自分の痛々しい姿はさておいてまるで乳母のように
常に横にいて何か異変が起これば鳴いて知らせてくれたり
ストーブの前に普段はしない寝方をして甥っ子が触るのを阻止したりと
ものすごい母性を発揮してくれました。
甥っ子が大きくなってもその意識は強く、
一人と一匹の絆は不思議なものでした。
家の中にいれば常にムゼッタを探す甥っ子、
常にどこかで甥っ子を見守るムゼッタ。
「お前さんの母は誰だい?」なんてよくムゼッタにも甥っ子にも
聞いて笑っていました。
奇跡的な回復を遂げて「あんたの体は一体どうなってるんだ?」と
家族中に言わしめたのはきっと甥っ子の世話をするためだったのだと
今でも思っています。

イタリアに私が行っていた1か月の間に何度も国際電話を掛けて
鳴き声を聞かせて貰っていたのですが
帰国してみればムゼッタとマリアの2匹して「あんた誰?」だったのは
本当にもう…
研修や合宿や演奏活動などで家を空ける度にそんな意地悪な顔をされたのも
今となっては笑い話というか何と言うのか…
いつでも何かあったら横にいてくれた猫でした。
いつも元気で家族の中心にいた太陽のような猫でした。
どんな我儘を言っても「むっちゃんだから仕方ない」
と納得させる仔でした。
そんなむっちゃんとの生活がずっと続くものだとみんなが思っていました。
でもムゼッタにも確実に老いは来ていました。
最初の転機は14歳の時でした。
突然お漏らしが止まらなくなってホルモン治療を始めた事もありました。
その時点で安心する事なくずっと注意していれば良かった。
2012年6月に再び体調を崩したムゼッタに下された診断は「腎不全」でした。
そこから病気との闘いの日々が始まりました。
通院して点滴と注射と活性炭投与の他に
腎臓に負担の掛からない食事を考えたり
腎不全に効果があるらしいと言われるサプリを探してみたりしていました。
少しでも血液検査の数値が下がったと一喜一憂していましたが
その一方で減り続ける体重はどうしようもなく
ムゼッタの病状を悪化させていました。
一時期は5kgあった体重は発症時には3.1kgになっていました。
その後少しずつ体重は減り続けていました。
点滴と投薬で病状を少しでも抑えようとしていたので
一見元気な状態が続いて
みんな安心していたのですが、やっぱり間違いでした。
気づけば2kgを切る手前まで体重は減っていて、
あれほどふくふく丸々としていた
あのムゼッタの体がアバラが浮き出て
ガリガリの骨と皮の状態にまでなっていました。
それでも文句も言わず通院の時には膝の上に乗らないと五月蠅い仔で
秋から冬に掛けてはダウンで包むようにして
少しでも体温が下がらないようにし
夏場は暑くならないようにサラサラな生地を膝の上に置いて運転していました。(危ないので他の方は絶対にマネしないように!)
膝の上でないと通院させてくれない仔だったのが
ほんの少しのやっかいでした。
こんな時でもないと膝の上を独占できないと思っていたのでしょうかね?
小康状態を保っていたと思っていたのが突然その日は来ました。

2014年2月9日その日も通院して点滴をして貰って帰宅したのですが
夜になってもご飯を食べようとしてくれませんでした。
好きなものを順番に買って来て食べさせようとしても食べてくれず
どんどん具合が悪くなって来て慌てて週明けの月曜日に病院に行きましたが
とうとう体重が2kgを切ってしまいました。
食べなくなった原因は口内炎でした。
猫の口内炎は腎臓病の時によく起こるそうなのですが、
人間の口内炎と違い猫にとっては命取りになる事もあるのですね。
ものが食べられなくてずっと口の中をギリギリと音をさせて
噛み続けるのです。
痛み止めを打って点滴を打ち鎮痛剤を貰ってその日は帰宅しました。
その日からまた、あの日のようにシリンジで
療法食の強制給餌が始まりました。
k/d缶をお湯で溶いてゆるくしてから裏ごししてペーストにしてシリンジで
無理矢理に飲ませるというムゼッタにとって辛い日が始まりました。
以前使っていたサプリも一日1カプセルのものを
最大の4カプセルまで飲ませ
少しでも口内炎が良くなってくれるように願い続けていましたが
どんどん衰弱して行き水を飲むのも辛そうでトイレに行くのも辛そうで
トイレの上で途方にくれている事すらありました。
教室の発表会が目の前に迫っていた事もあって
どうすればいいのか途方にくれました。
その日に甥っ子が「僕がむっちゃんの面倒を見る」
と言ってくれたのは…本当に涙が出ました。
発表会の日に朝から出かけて行って仕事に専念しなくてはいけないのに
ずっと気になって本番中も「どうか帰るまで生きていて!」
と心の中で叫び続けていました。
帰宅した時に猫ベッドで寝ている姿を見た時には
ホッとして泣けて来ました。
病院に行って「覚悟をしておいて下さい」と言われた時には
もうお約束になっていた通院の時の膝の上に乗る事すら
できない状態でした。
どうにか手立てはないものかと必死でもがいていましたが、
その日は来ました。

2月19日朝。その日はシリンジからのペーストも呑み込んでくれず
吐いてしまいました。
そして少し目を離したその間に
とうとう虹の橋の向こうに行ってしまいました。
気づいた時には既に息はなく、まだ温かい体だけがそこにありました。
どんなにマッサージしても息を吹き返す事はなく9時過ぎの事でした。
家族に知らせ先生にもお礼の電話をして
甥っ子が学校から帰って来る時間に備え
まだ温かいムゼッタの体を熱い蒸しタオルで拭ききれいにしました。
とてもきれい好きでいつも自分の体を舐め綺麗にしていたムゼッタなのに
あちこちに小さな毛のもつれがあり、つやつやしていたご自慢の毛皮も
尻尾もその輝きを失ってパサついたものになっていました。
いつも寝ていた毛布に包み私の部屋に連れ帰って、
その日は通夜語りを2人でずっとしていました。
ムゼッタが我が家にやって来た日から今日までの小さな思い出の数々を
ムゼッタと二人でずっと語っていました。
甥っ子と姪っ子が2人一生懸命考えて
むっちゃんへの手紙を書いてくれました。
次の日に火葬して貰う事になっていましたので大好きだったおやつや
元気だった頃の写真など揃えているうちにどうしようもなく涙が溢れ
嗚咽をあげて泣いてしまいました。
2月20日ムゼッタの葬儀でした。業者さんに来て頂いて火葬にしました。
大好きなおやつと元気だった頃の写真、甥っ子と姪っ子からのお手紙と
いっぱいのお花に包まれて煙になって昇って行きました。
小さな細い煙が一本青空にたなびいていました。
寒い日だったけれど空が青く晴れていて良かった。
驚くほど小さな骨になってしまって
小さな骨壺に甥っ子と一緒に収めました。
49日までは甥っ子が自分の部屋に置いて
入試のモチベーションにするそうです。
小さな存在ですがいなくなると本当に寂しい。
朝と夕方になっても薬を飲まさなくてもいいとか通院に膝の上に抱いて
ダウンで包みながら運転しなくてもいいとか
帰宅時間を気にしなくてもいいとか、色々自由になったはずなのですが、
不自由さを却って感じるのはなぜなんでしょうね?
そのうち慣れてしまうのでしょうか?
我が家の新女王になったはずのマリアも何だか居心地が悪そうで
落ち着きがありません。
2月22日は猫の日で本当なら我が家の女王として君臨し
我儘を言っていたムゼッタがもういません。
膝の上が軽くて寂しい冬の日です。

49日は4月8日だそうです。
その日を過ぎたら毛皮の着替えを済ませてどうか戻って来て下さい。
きっと見つけるから。
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