竹取物語～子猫たち目線～

2014年6月12日(木) 364 / 0

むかしむかし、でもない最近。

とある所に、じじちゃんとばばちゃんが住んでいました。

どこからともなくながれる着信音に、ばばちゃんが携帯を開くとどこかで聞いたことのある声が聞こえてきました。
「少しの間だけでもかまいません。どうかこの子たちをいえにおいてください。」

ばばちゃんが「わかりました」と答えると
おうちのなかに、それは可愛い可愛い二匹の子猫がやってきました。

子供が（嫁に嫁いで）いない二人はこの子たちに「茶々」と「白」と名付け、わが子のように育てることにしました。

月日が経ち、すくすくと育った茶々と白はそれはそれは美しい白猫とお茶目な茶トラになっていました。
その猫たちのかわいさに国中の王子様やお姫様が「ぜひともわが城へ。」と言って寄ってくるのは昔話。
実際には「あら可愛い。」とほめてくれるのがいいとこ。

そんな猫たちがある日をさかえに外を眺めさみしそうにして・・・もいないけど物語の進行上そういう事にしておきました。

ばばちゃんが「どうしたんだい？」と聞いたことにしておいてください。
猫たちは、
「実は私たちは月（お父さんとママさんの家）からやってきました。もうすぐ月から迎えの者が来て、私たちは月に帰らなければいけないのです。」
さみしくなったじじちゃんは
「もう少しここに居てもいいんだよ。そうだ、いっそのこと我が家の猫になってしまいなさい。」と言いました。
「じじちゃんごめんね。やっぱりそれは出来ません。もうすぐお迎えがやってきます。今まで育てていただいた御恩はわすれません。」
そう言うと猫たちはじじちゃんにそっと贈り物（競輪の当たり券）を渡しました。

「ばばちゃんや見ておくれ。あの子たち福の神の招き猫じゃったんだ。家に来てからよくあたるんじゃ。」（実話だったりするから、あらっ不思議）

ある月夜そらから光が差し、とうとうお迎えがやってきました。
「私たちは月の使い。この子たちは月の国の王子と姫です。いままで育ててくれてありがとうございます。」

「じじちゃん、ばばちゃんありがとう。私たちは月のお城で幸せに暮らします。」
猫たちはそう言うと名残惜しそうなじじちゃんとばばちゃんにそっと頭を下げ迎えの車に乗り込みました。

「茶々、白。幸せになるんだよ。」
ちょっとさみしそうなじじちゃんはその夜少しお酒を呑み過ぎてしまいましたとさ。

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