モデルは凸助(でごすけ)です。

すごく大きな猫ですが、まだ二歳ぐらいで半野良です。
ブサイク凸助、頭が大きくて、体も大きくて、時間ばかりかかりました。
こんなの作るまでもないと思ったのですが、母のリクエストです。
藁籠がなかったので、とりあえずカゴに入ってます。
弟が買ってきました。
いつもおニャン形を作るときは、その子らしいポーズを考えるのですが、こいつはこの強烈な顔しか特徴がなく、どんな姿にしょうかなと思案していました。
ふと、雑誌に載っていた、お隣の新潟県のおばあちゃんたちが作る「猫ちぐら」。
そもそもこのちぐらとは何のこと?
漢字、調べました「稚座」。
小さな子どもを座らせる籠のようです。
それだったら、山形の庄内地方の「いずめこ」のことかと納得しました。
内陸地方では「えづこ」といいます。
本来、冬にご飯を保温するための藁籠です。
保温の必要のない春から秋は赤ちゃんを入たそうです。
昔のおかあさんは赤ちゃんが這い出さないように布団で固定し、農作業に勤しんだそうです。
私の父は男の子ばかりの六人兄弟のバッツ。
食べ盛りの子どもたちと家族のために一生懸命畑仕事をしなければいけなかった祖母にえづこに入れられ、二歳近くまで歩けなかったと言っていました。

山形の鶴岡にはこのいずめこをモデルにした伝統民芸品があります。
「いずめこ人形」の画像を検索すると早速出てきました。
どこかで見たようなご当地人形の中でも一番前に鎮座しているこれです。
女の子はおかっぱ、男の子は大五郎頭で籠の中に押し入れられ、布団で固定され、回りにはでんでん太鼓や御手鞠などのおもちゃが刺さっています。
長い歳月を積んで色あせてお顔の欠けたいずめこ人形がお寺に供養されていたのを見たことがあります。
リアル顔の中にも、かわいさ、窮屈さ、不気味さが潜んでいます。
検索した画像の元はみうらじゅん氏の「いやげもの」でした。
2・3年前に話題になりました。
せっかくおみやげにもらったのに、いらないものという意味らしいです。
確かに家にも「いずめこ人形」がありました。
どの部屋に飾っても馴染まず、夜の暗い部屋では子供の泣き声が聞こえてきそうな、妙な存在感があり、いつしか排除されてしまいました。
今はどこに行ったのかわかりません。

凸助、男の子だし、季節的にもちょうどいいと思い、五月人形のように作りました。
早めの母の日のプレゼントにしようとしたら、自分が作れっていったのに、笑うだけ笑って、いらないって言われました。
歳のせいにして、都合の悪いときは忘れたふりをします。
本ニャンと一緒に写真を撮ろうとしましたが、凸助におニャン形とカメラを近づけるとソソクサと逃げようとします。

山形市内の桜はすっかり葉桜ですが、ちょっと山の方に行くとまだまだ咲いています。
農業の溜池は雪解け水でいっぱいです。
もうすぐ田植えもはじまります。

毎年繰り返す美しい自然もあれば、何百年に一度繰り返す天変地異のような自然もあります。
九州の地震、まだまた余震が続いているようです。
犠牲になった方のご冥福をお祈り致します。
避難されている方の生活の不安、体調の不安。
私にも出来ることがあれば寄り添っていきたいと思います。



















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