山奥に体重300g前後の子猫が3匹捨てられていました。
たまたまバイクで通りがかった人が見つけて連れて帰り、縁があってこちらで保護することになりました。
3匹共、酷い風邪をひいていて目はふさがり
呼吸をするのもしんどそうな位の鼻水…
一番小さな1匹は特に弱っていて、
既に呼吸状態も悪く3日後に息を引き取りました。
もう一匹の兄弟は、風邪症状が治まらず片目は失明している状態ですが無事に育っています。
そして残りの1匹…何とか持ち直したものの、両目は失明。
見えないため、物にぶつかりながらも
トイレもほとんど失敗なく出来ました。
時々、どこにいるのか分からなくなるようで部屋の真ん中で大きな声で鳴いて誰かを呼ぶこともありましたが…
無事に育つようにとの祈りを込めて、
『育ちゃん』と名付けました。

育ちゃんは、血液検査の結果、エイズ・白血病は陰性でしたが、腎機能が低下していました。
何度も何度も体調を崩し、その度に治療をしては持ち直して…の繰り返し。
病院では 近親交配の可能性が高いと言われました。
山にいたのにノミもおらず、身体もキレイだったので、家猫の避妊・去勢をせずに妊娠・出産させ、子猫を山に捨てたのかもしれません。
推測ですが…
腎不全と診断されてからは、毎日 自宅で皮下点滴をしていました。
波がありながらも体調は比較的落ち着き、
甘えたり 走ったり 遊んだり出来る日もありました。
動ける時は、私にストーカーのように付きまとい、本当はこんなに甘えん坊なんだなぁと切なくなりました。
長くは生きられないだろうと病院で言われましたが、少しでも子猫らしく生きられるようにと治療を続けました。
色々試してみましたが、リーナルケア(腎不全用栄養食)が合っていたようです。
皮下点滴とリーナルケアのおかげで、もしかしたら1歳を迎えられるのではと思う程、体調が良い日もありました。

何度も体調を崩しながらも、
最期まで生きようと頑張った育ちゃんでしたが、とうとう腎臓が力尽き
7月1日
虹の橋を渡ってしまいました。
育ちゃんがいなくなった喪失感は、
私たち家族にとってはとても大きいです。
ちょこんと座って 見えない目でじっと顔を見上げていた姿は 本当に愛おしくて愛おしくて…
思い出すと涙が止まりません。
でも捨てた人にとっては、育ちゃん達の命はどうでもいいものだったのでしょうね。
小さな子猫を、まだ寒い時期に生きられる可能性の少ない山に捨てているのですから。
助けられない命、人の目に触れることも無く消えていく命もたくさんあると思います。
それを思うと胸が苦しくなります。
保健所や警察に持ち込まれたり、捨てられている子猫も多く 1つでも多くの命を救おうとギリギリの状態でボランティアたちは頑張っています。
産まれないようにと自費でTNRしても、そこにまた猫を捨てられる。
本当にキリが無い…
精神的にも経済的にも厳しいです。
いつも「今年で辞めよう」と思いながら、目の前の命に目を瞑ることが出来ずにいます。
せめて自分が関わる猫は、避妊・去勢をして欲しい。
そして、どうか育ちゃんたちのような思いをする猫が 1匹でも減りますように…
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