(え?)
いやいや言わなくても分かる。そなた猫のことで悩んでおる。この水晶が全てを語っておる
ぞ。
はじめて訪れた見知らぬ街角で、そう声をかけられた。
そなたは猫にたいしては、やさしいんじゃの。
褒美に、これを授けてしんぜよう。
魔法のアイテムじゃ その名もフェリウェイ。
いいか、このアイテムは信ずるものにしか効果がないぞ。信じるんじゃ...
ハッとして振り向くと占い師がいない。
(え?)
黒猫が踊るように走り去って行くのが見えた。
不思議な体験。幻か?でもフェリウェイ持ってる。
捨て猫ちゃんのマーキングや鳴き声に悩まされていた。
信じながらねんじながらフェリウェイを装置した。わずかながら香る。説明書には幸福フェロモンとある。これがフェロモンの香りか!
即効性があるわけではない。
信じてる。これは魔法だ。
捨て猫ちゃん!考えるな感じろ!
その日の晩。 捨て猫ちゃんが心なしか、うっとりしている。そしてマーキングスプレーが止んだ。
やはり! 魔法は信じるものにしか効かないんだな。
次の日、すっかり信じている俺は魔法のアイテムの説明書の余白に、こう記した。
効能...
おじさんには素敵な恋が見つかります。
魔法のフェリウェイフェロモンに包まれて安眠した翌朝...
きっと、いかしたイケメンになった俺が鏡に写ってると思う。
信じてるフェリウェイ!

嘘
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