泥や油?の塊のようなものが所々についていて、強烈な異臭がしました。
猫は大好きですが、当時初めての妊娠でつわりも酷かったこともあり、また匂いにとても敏感になっていた為、正直、うわあ...と思いました。
私が渋い顔をしていたので、夫が弁解するように「外回りに出ていたら、駅前の自転車置き場にいてさ。飼うのはむりだなと思って見ないふりをしたんだけど、帰りもいて、明日は雨が降るからこのままじゃ凍え死んでしまうと思って....ごめん。」と言いました。
ゆきまるはまだ生後4ヶ月だし、これから赤ちゃんも生まれて初めての子育てで大変だし、里帰りもしないし、やっていけるのだろうかととても不安になったのをよく覚えています。もちろん、里子に出すことも考えていましたが、貰い手がつかないこともよく聞きます。捨て猫を保護する時は、貰い手がつかなかった場合、自分が責任持って飼う覚悟で拾わないといけません。長くて20年近く生きる子もいます。自分のライフスタイルが変わっていく中で、最後まで面倒を見ていけるか、もし、自分たちに何かあったら、親兄弟などその後みてくれる人の確保、とても責任とその覚悟がいることです。
とにかく、見ておくよということになり、夫は急いで仕事に戻って行きました。
ネコ風邪を引いているようだったので、お風呂にはまだ入れず、温めたタオルで拭いて、暖かいペットボトルとタオルなんかと一緒にキャリーに入れ、ふやかしたカリカリをあげると少しずつ食べてくれました。

名前はチビィ(仮)と呼んでいました。
ゆきまるは少しみにきて、「ふーん?知らない子だ。」という顔で出窓に飛び乗り、作業している私を見ていました。
夫の帰宅後、チビィを早めに病院に連れて行った方がいいと思い、かかりつけの病院に事情を話すと、もう閉める時間だけど待っておくから早くきてくださいということになり、急いで行きました。ネコ風邪と所々にあるカビの塗り薬をもらいました。お風呂は3日後くらいにしてくださいということでした。
それから、身体を拭いたり、お薬を塗ったり、世話をして、風邪が落ち着いてきたところでお風呂に入れると、チビィはすっきりとても綺麗な猫になりました。爪切りもしました。

チビィは里子に出すから、愛着が湧かないようにと気持ち的に距離を置いてお世話をしていましたが、お世話するうちにだんだん可愛くてたまらなくってきて、もううちの子にしようかなと思ってきていました。
チビィは人間にはあまり興味はなく、猫好きな猫のようで、キャリーの近くをゆきまるが通るたびに「にゃーにゃー」と鳴いて目で追っていました。一方、ゆきまるは子猫の時から私たち夫婦と一緒に暮らしていたので、自分のことをあまり猫だと思っていないようで、人が来るとクンクン近寄っていくのに、チビィにはあまり興味なしです。
でも、私がチビィの世話をしているのがイヤみたいで、(やきもちでしょうか?)チビィの世話をしていたり、チビィに話しかけていたりすると、どこからともなく走ってきて私の手を甘噛みするのです。
そんなこんなしているうちに、病院から電話があり、チビィの写真を見てとても会いたいと行ってきている方がいるからどうか?と言われ、一応会ってみて、少しでも嫌だったら連れて帰ってうちの子にしようと思い会うことにしました。(写真は初めて病院に行った日に里親募集を病院でもかけてみようかということになり撮られていました。)
当日の待ち合わせが病院だったので、先に待合で会ってしまい、話してみるととても良い方達だなという印象を受けました。
ご夫婦の方で現在2匹の猫と暮らしているそうです。前にも3匹と暮らしていたそうです。みんな捨て猫を保護して育てられていたそうで、中には白血病の子、全盲の子など様々でした。以前亡くなった子がチビィに似ていたそうで、写真を見て今回連絡されたそうです。
もうこれは、運命なのかなと思い、寂しい気持ちはありましたが、先生もこの人たちなら間違いないと言われ、安心してお願いすることにしました。カビもまだ治っていませんでしたが、引き続きあちらで治療してくださるということでその日にそのままお渡ししました。
家に帰るとゆきまるが待っていました。
それから数日、空のキャリーを見て寂しい気持ちが続きました。
譲渡後、名前はチョコちゃんになったそうで、先住の猫さんたちを追いかけて楽しく暮らしているようでした。あれから半年が経ちました。元気に健康で暮らしていてくれるのを願ってやみません。
最近のコメント