皆さんに色々と心配・応援して頂いたのに申し訳ないです。
妹は頑張って抗がん剤をしています。
S1ゼローダという薬です。
飲み薬6日間+点滴1日そして一週間点滴は休んで飲み薬のみという方法になりました。
本来は妹の低分子腺癌という悪質性の為に、もう少しピッチをあげて叩く予定でしたが
あまりの副作用と妹の回復が良く無い為に、この方法になりました。
その病院において一番強い薬にて、これ以外は変更の意味がないと言われました。
そして本来なら胃癌の抗がん剤ですが担当医の判断にて腸癌の抗がん剤となっています。
何よりスキルスにて一番怖い腹膜播種を警戒されている様子です。
腹膜播種となると治療方法がなく、いっきにステージ4の余命となります。
現在の妹は体重が10キロ減ってしまいました。
本人は「グルとマロコが減った感じだよー」と笑っています。
点滴の副作用の時は食欲すらなく、一日吐き続け動けなくなります。
鼻が敏感になっており匂いだけでなく、食べ物を見るだけで吐くそうです。
薬は3日程度で抜けて、なんとか食欲を取り戻すために
最近はグルメ漫画を見ています。おいしそうに食べているのを見ると
あ、食べなきゃって思うそうです。
まだ抗がん剤がやっとスタートしたばかりです。
転移さえしなけれぱ…と祈る気持ちしかありません。
歩くのも5分が限界ですが腸のリハビリの為に暖かい昼間に近所を少しずつ徘徊しています。
若いからか悪くなるのも回復するのも波が激しいですが、暖かくなってきた今は
少し向上しており、毎日少しずつ食べられる物が増えてきました。
また腸のみですので油や繊維が分解できず、食べると下痢や嘔吐になるのですが
「それでも舌で味わえると苦しくても嬉しいんだよ」
と色々と試しています。
たとえば、スタバのサクラの新しいドリンク。一日かけて飲めたそうです。
あとヤクルト、これ一本飲めたそうです。
気分が悪くなりましたが、ポテトも3本いけたそうです。
やっと、柔らかい白がゆにもチャレンジできたそうです。
吐くと胃液ではなく腸液なので緑です。ガスが凄くて本人は下着にパットをつけて
「社会復帰はまだまだだなー」と、それでも意欲は失っていません。
お風呂も良いらしく、生温かい湯ですが入浴剤も楽しめるようになりました。
妹は嬉しそうに「今日はね、これいけたんだよー」と報告してくれます。
以前にも書きましたが亡くなった姑は食べ物すら食べれませんでした。
先生が手術の前に
「人の三大欲の一つ、食べるという事ができなくなる、それがどれだけの事が
それだけは理解してあげて下さい」
と言った言葉を覚えています。
姑は自分が食べられなくても孫である娘に小遣いを待たせて売店でお菓子を買わせ
それを病室で食べさせるのが嬉しそうでした。
妹はそれを知っています。だからこそ気分が悪くなろうとも好きな物を食べたらいいと
そう伝えています。
姑が亡くなって6年がたち、同じく離婚して6年目。
ずっと供養もロクにされておらず骨納めもされていない姑。
けれど離婚した息子である元夫の再婚に伴い、あちら側へのアピールもあるのでしょう
今年やっと法事を行ったそうです。
参加者は夫・夫の兄・そして娘だけです。
そこのお寺のお坊様は若く、そして決して説教もせず怒りもしないおだやかな方です。
その方が元夫に対して骨納め供養について、あちらから説教されたそうです。
通常なら寺からそんな話はでません。それだけみかねた事でしょう。
しかし元夫が言ったのは
「この寺で預かってくれないか?月幾ら出せばいいですか?」
に皆が呆れ、夫兄が「俺が引き取る」というのも、かたくなに拒んだそうです。
姑はここまで粗末にされる罪を犯したとは私は思えず離婚して良かったとしか感じませんでした。
結局、集団墓地の3万円供養を選びそうだと…新車は買う癖にと娘は怒っていました。
妹は元気です。けれど時々言います。
「もう子供は無理だなと思うよ、産めても時間が足りない気がする」
笑って昔話にできたらいい会話。どうか少しでも時間を与えて欲しい。
本当に妹とは色々あった。癌になる前は母につけられた妹との格差を原点に
それこそ関わりたくないと、懐こうとする妹を振り払ってきました。
けれど今こうして思い出すのは、5歳歳の違う妹の幼かった頃。
母子家庭にて母は夕方から朝まで仕事にいない。
私がミルクを飲ませ食事を作り、オムツもかえてやり洗濯物もして
それこそ箸の持ち方から文字を教えたり、どこに行くにも私は妹を連れて行動しました。
毎日、小学校に行く前に妹の準備をして保育所に送り、帰りは迎えに行き
帰り道で疲れたと泣く妹の為に、ランドセルを前に背負って、背中に妹を背負いました。
周囲の大人から「虐待ではないか」と私を案じた苦情が保育所や小学校にも入ったけれど
そうしなければ生きていけなかった。
自転車の後ろにのせて妹を連れて友達と遊びに行った。
女の子は妹をオモチャにしたあとに邪険にするから男の子とばかり遊んだ。
パラックのボロ屋で雨の音で泣く妹をダッコして寝かせ付け、おねしょを片付けた。
妹が小学校に入った時に、やっと借金が無くなり生活が安定した。
母が「もう母親しなくていいよ」と言われた、あの時に私は妹と距離を置くようになった。
長い間空いていた期間を埋めるように、妹が今凄く昔のように甘えてきます。
昔のように「おねーちゃん」と呼びます。
だからこそ生きて欲しい。そう切実に願っています。
現在の職場は働く場所としての条件はあまり良くないのが現状です。
けれど、ここで働くのは仕事が好きだから、そして妹の為に泣いてくれた仲間がいたから。
けれど沢山の人がいる。あまり甘えてはいけないと思いつつ、私は聞かれるままに
妹の容態を伝えていました。
でも、ある若い子にポツリと
「じゃ死ぬんですか?死なないんですか?」
若さゆえに、純粋にそう思った事を言ったのだと思います。
けれど当時の私は絶句しました。
言った子がどうのではないのです。死んでほしくて言ったのではないのです。
けれど甘えすぎていたと。考えを改めさせられました。
これを教訓にして、よほどの事がない限りは妹の件は日記に書かないでおこうと思います。
姑の死が近づいた2月、病室から見える桜を指さして
「元気になって桜を見に行こう」と、守れない約束をしました。
声も出せず朦朧とした姑は、ゆっくりうなづいてくれました。
それから数日後に私が看取りました。
妹は本日、母の運転で梅林に行きました。
とても綺麗だったそうで、行く道先で休みながら時間をかけて行きました。
坂道がきついので下の方だけですが、それでも彼女はまだ自分で行けます。
副作用で物がもてません。歩くのも痺れます。
それでも命を伸ばすために頑張っています。
「また元気なって、ねーちゃんの奢りでトンカツー!!」
どうか、このまま無事に抗がん剤が終了しますように。
そして無事2年間を過ごさせて下さい。
可能性20％、悪運の強い妹だからきっと掴めるはずです。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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