これもまた、ご縁

2018年10月10日(水) 629 / 42

先日、仕事関係の知人と久しぶりに仕事で会い話をしました。

普段プライベートでは交流がない独身の女性です。

最初にその女性が言った一言。

「この前仕事帰りに、車でさぁ・・・・。」

「何？事故？？」私は聞きました。

続けて知人が言いました。

「夜だったんだけど、何か道路にあって、よくわからなかったんだけど・・・・。」

「なんか気になっちゃって、また戻って。道路を見てみたらさ。」

「小さい子猫が道路にいて、ひいちゃったかも！！！って焦って。車停めて見てみたの。」

「そうしたら、子猫は車の通った車体の下にいてひいてなかったんだけれど、全然動かなくて・・・・」

「それで、どうしたの？亡くなってたの？」私は先を聞くのが怖くなりました。

知人は「生きていたんだけど、目も塞がってて見えないみたいで。」

「とりあえず、近所の動物病院へ連れて行ったの。そうしたら、すごい猫風邪だったみたいで。」

「先生が、この子は栄養状態も悪いし、このままだったら死んでいたね。見えないから、車が来ても逃げれなかったと思うよ。」と。

私はその子猫、その後どうしたの？助かったの？と、気になることを聞きました。

知人は、「私も仕事があるし、猫飼ったことないから・・・・・・そのまま入院させたよ。」と、当たり前のように言うのです。

「猫って、お金かかるんだねー。びっくりしたよ。」

飼ったことがないのですから、金額がすごくかかったことには驚いたと思います。

子猫と出会った日から入院させて、その入院が長くかかったようですが、その甲斐あって子猫は目も治り元気になったそうです。

「子猫、里親さんを探したけど、なかなか見つからないね。」

知人がそう言ったので、私は「うちで預かって里親さん探そうか？」と言いかけました。

すると、知人が思いもかけない言葉を言ったのです。

「私、今度引っ越しするの。」

「今のマンション、子猫、飼えないから。」

私は思いもかけない言葉を聞いて、本当にビックリしました。

そして、すごくすごく嬉しかったのです。

「飼ってくれる人も見つからないし、あんな出会い方したのも何かの縁かもね。」知人は笑いながら言いました。

猫が飼いたかったわけでもない、引っ越しする予定があったわけでもない、何もかも彼女の予定にないことです。

なかなか自分の生活を変えてまで、行動を起こせる人は少ないと思います。

話を聞いていて私は行き先がなかったら、とりあえず連れてこようと思っていました。
だけど、そんな私の考えより覚悟を決めた選択を彼女はしてくれたのです。

私のような人間が行き先がない猫を引き取ることより、飼っていない人が家族として迎えてくれる・・・その方が数倍、数十倍価値があり、とても意味のあることだと思います。

そして私は自分が引き取るより、とてもとても嬉しかったのです。

彼女に救われた子猫は、真っ黒な女の子。

引っ越しするまでは、実家に預けているそうです。

見たこともない1匹の子猫が幸せになった話は、私を幸せにしてくれました。

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