遺伝的に関係ある個体同士の交配。
猫の近親交配は、約75%の確率で、
何らかの先天性異常を生み出してしまう。
4匹中3匹の猫に、何らかの先天性異常が生じる。
【近親交配個体】
以下の交配で生れた個体。
父親と娘・母親と息子・祖父と孫娘
祖母と孫息子・兄弟同士・従兄弟同士
【近親交配による先天性異常】
〔頭蓋骨の異常・水頭症〕
症状:失明・真っ直ぐ歩けず回るように歩く
寝てばかりいる・食欲がない
痙攣発作・怒りやすく攻撃的
特徴:頭の形や大きさが正常でない(大きいなど)
産まれて数日で死んでしまうことが多い。
〔鎖肛/サコウ〕
症状:産まれてから1度も肛門からの排便をしない。
お腹がポッコリしている・食欲がない
特徴:肛門が閉じた状態で産まれてくる。
母乳期は便が柔らかいため、肛門以外の小さな穴から排便があるため気づきにくい。
離乳期になり便が固く大きくなると排便出来なくなる。
対応:手術で人工的に肛門を作る。
手術が出来る月齢まで、液状フードや
便軟化剤で便を液状にして育てるしか
ないが、早期に死んでしまうことが多い。
〔心臓疾患〕
①肥大型心筋症:心臓壁が分厚くなる。
②動脈管開存症:肺動脈と大動脈の間が閉じない。
③心室中隔欠損症
対応:手術、又は軽症ならば内服治療。
〔口腔疾患〕
症状:上手くミルクやご飯が飲み込めない。
ミルクが鼻から出てくる。
特徴:生まれつき上顎に穴が開いている。
ミルクが気管支に入りやすく誤嚥性肺炎になりやすい。
肺炎や栄養失調で死んでしまうことが多い。
〔奇形〕肉球欠損・足の欠損変形
顔の歪み・片目がない・全盲など
近親交配で生れたてきた猫は短命で、突然死もある。
純血種の場合、その特徴を残していくため、
気をつけないと血が濃くなってしまう場合がある。
家に迎え入れて数年経って、足腰の麻痺が生じ歩けなくなったり、
年齢が若いのに腎臓病を発症し、
早死にしてしまうこともある。
スコッティッシュフォールドやマンチカンは、
骨の形成不全や臓器異常など、何らかの先天性疾患を持っていることを考慮しておかなければならない。
多頭飼育崩壊の現場では、近親交配個体が居るのが当たり前。
猫がしたくて近親交配している訳ではない。
人間のエゴがそうさせている。
近親交配個体の子猫だって、そんな境遇で産まれてきたかった訳がない。
近親交配個体の猫が、更に近親交配をさせられ、自分の命を落とすことさえある。
私は、多頭飼育で避妊去勢をせず繁殖させるのは【虐待】だと思う。
そんな人間の言う「猫が好き」は、
猫のことを何も考えていない馬鹿な勘違いだと思う。
今回の動物愛護法の改正では、
マイクロチップがメインになってしまっているが、
可哀想な子猫を生み出さない為にも、
教育を受けていない、知識のない人間の繁殖行為を止めさせることを、
法律に罰則付で設けてもいいのではないかと、
私は思う。
ボラさん達が、
頑張っても頑張っても、
悲しい現実が減らない。
猫達の苦痛を少しでも減らす為にも、
ボラさん達の大変さを少しでも減らす為にも、
考えていかないといけない
【課題】
だと私は考える。




















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