
3年前の初夏、マロンは突然あらわれました。
ボクの家の近所は某国営公園で、広い芝生広場と自然がいっぱいに広がっています。
その芝生にゴザを敷いてクロと夕涼みするのが日課だったのですが、そこにふらっとやってきたのです。臆病なクロは逃げるかと思いましたが、意外にもなかよくなりました。
毛色から「ハダ」と命名しましたが、売店や受付の人達からは「クリーム」とか「マロン」とか呼ばれてました。
それ以来、ボクをみつけると走ってくるようになり、ゴザの上でも我が家のようにくつろいですっかりなついてしまいました。

それからしばらくの間にぎやかで楽しい日々をすごしました。
実はこの時、ボクはここでであったシロ、クロ、サビ、チビ1号達と一緒に住めるように広大な土地を買って家を建てていました。
マロンも家族の一員として迎えたいなという思いは日一日と大きくなっていきました。
秋に完成する家で、みんなで楽しく暮らしている姿を思い描いていましたが、別れの時は突然やってきました。
梅雨入り間近の6月の終わりに、マロンは交通事故で虹の橋を渡ってしまいました。
早朝、冷たくなったマロンを発見した公園管理の公社の巡視の人がお墓をつくって線香をあげてくれていました。
轢かれたとは思えないきれいな身体だったそうです。

マロンとは一ヶ月という短いつきあいでしたが、たくさんの幸せをもらいました。
マロンはボクとであえて幸せだったのでしょうか。いつか天国で聞いてみたいと思います。
その時は、あの日思い描いて実現できなかった幸せな暮らしをあの世で果たしたいと思います。いつかきっと。
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