乳飲み子ちゃん…(涙)

～本日３投稿目。長文です～

午前中のこと。
昨日までのキャンプで疲れて半分魂が抜けているおむ母。

知らない電話番号からの電話。

「あのぅ以前ねこちゃんの避妊去勢手術してくださったおむすびさんですか？」
…はい。
「実はウチの庭で猫が仔猫を産んでしまったみたいで。今仔猫が庭にいるんですけど、どうしたらいいかなって…」
…どのくらいの大きさですか？
「まだ目が開いてない大きさです」
…何匹いますか？
「３匹です」
…お母さん猫は近くにいますか？
「いるんですけど、警戒して近くに来ないんです」
…うーん。
乳飲み子だと人間が育てるのなかなか難しくて。
できたらもうしばらくお母さん猫に育ててもらった方がいいんですけど。
「雨も降ってきちゃいそうだしどうしたらいいかと思って」
…わかりました。
ちょっと今、電話折り返しますので。
少しだけお待ちいただけますか？

ということで。
２年前お世話になったおむすび市の地域猫のボラさんに相談の電話をしてみることにしました。

(挨拶は省略)「あら。乳飲み子？今ちょうど乳飲み子から育てたいって言ってる方いるから聞いてみるけど。色は何色？」
…いや、まだ見てないんでわからないんですけど。
「今、他のところの猫、手術の引き取りでこれからリリースしにいかなくちゃならなくて。
それまで保護できるかな。
あと、仔猫のミルク代少しばかりカンパしてもらってほしいの。
ミルク代、ただじゃないし。高いのよ」
…お忙しいところすみません。
でもただ庭で産んでしまっただけなので
なかなか言い出しづらいです。
「いや、そこはさ。私もNPOとか大きい団体じゃないから、もらってもらわないと困るわ。ちゃんとお金がかかるってことも地域の人には教えていかないと(云々)」
…わかりました。話してみます。
とにかく、雨が降ってきちゃうと濡れちゃう場所のようなので。
仔猫の保護を先にしてきます。

ということで。
靴の箱にタオルにカイロを貼ったものとお湯を温めたコーヒー缶をくるんだタオルを入れて。
それをキャリーケースに入れて。
現地へ。

現地では、猫を飼っていらっしゃるお宅の方がキャリーケースに仔猫を入れて。
母猫がキャリーケースに入ってくれるのを待っているような状況になっていました。

見ていると、母猫がすうっと寄ってきて。
仔猫を一匹咥えてササッと逃げていきました。
それを止めようと産んでしまったお宅のご主人が傘で行く手を阻もうとする💦

…とりあえず、あのコはもう母猫が育てると思うので。
後の２匹を保護しましょうね。
「あの仔猫、ウチの庭で死んじゃったりしないですかね💦それはちょっと嫌なんですけど」
…もう母猫がもっと安全なところで育てると思います。
大きくなるまで育つか死んでしまうかはわかりませんが。
もうこの庭でというのはないような気がします。
「それならいいんですけど。ウチの主人が猫ダメなので…」

…この２匹は、私ではなくて。
ボランティアさんの知り合いのミルクボランティアさんという方がことあとお世話してくれるという話になっています。
それで大変心苦しいのですが、ミルク代というか保護費用を少しばかりいただけないかと。

いや、私個人としては言い出しづらいんです。
ただ庭で産んでしまっただけで。
無視すればできないこともないのに、こうやって生きているうちに雨に濡れる前にと考えてご連絡くださったというだけでありがたいことなんですが…

と言ったら。
お二方とも、二千円ずつくださいました。

(そのあとの電話で「二千円ぽっちり？少なくとも一万円なくちゃ足りないわよ」と言われたので。私が不足分は追加しましたが)

…私、領収証も出せないし。
本当にこのこたち助けていただいてありがとうございました。
この先このこたちがどうなったかの報告も私からできることはあまりないかもしれないですが大丈夫ですか？
変な話、私がこの子たち死なせちゃってお金だけ懐に入れちゃうことだってできるわけで。
そんなニュースとかもあるじゃないですか。

と言ったら。
「信用してますから！」と笑って言ってくださり。
あるいは厄介払いができてホッとした気持ちもあったのか、
「よろしくお願いします」って…

で。
やっと本論になります。

「マ、ま、ま、ママっ⁉️ にゃにそれっ！」

てんてん、こっちにきちゃダメだよ。
兄ちゃーん、てんてん連れてって。
仔猫病気持ってたらうつっちゃうから。

とりあえず、
玄関から先は立入り禁止なちびちびちゃんたち。

「ちっちゃあい」「かわいぃ～」

…このコたち、お腹すいてると思うから
猫用ミルク買ってこられる？
てんてんの時に買ったやつ、仔猫用だよ。
わかるかな。

と、おぉ兄にお願いをして。
粉ミルクはないのを承知ですが空腹よりはマシなので、近くのドラッグストアへ。
おぉ兄、走って行きました。

こんなふたり。たぶんふたりともおんにゃのこ。

息を切らして帰ってきたおぉ兄の手には
二本の仔猫用ミルクが握られていました。

人肌に温めたミルク。シリンジからでも飲む。

グビグビ

「ウチで育てたい。ウチのコにしたい。」

…そうだね。１匹はもう欲しい人がいるみたいだよ。

「じゃどっちのコ、ウチのコになるの？」とウキウキな二人。

…うーん。ウチのコかぁ。よく考えようね。
ママも考え中。

そのあと。
保護猫カフェで受け渡しすることになったので。
おぉ兄だけ一緒についてきました。
(私が『ウチのコ宣言』をしなかったのでちぃ兄はヘソを曲げてしまった)

…ママだって。仔猫はかわいいと思う。
でもさ。
お母さんから引き離したのであればお母さんと一緒に育つよりも、
里親さんが見つかるのであれば里親さんと暮らすよりも、
もっともっと幸せにゃんこにできる！って約束できないとムリなんだよ？

猫は、15年は生きるよ。
その時おぉ兄は何歳になる？(25歳くらい)

そのあとは病気とか介護とかもしなきゃならない時期がくるよ。
自分のお仕事しながら
もしかしたら好きな女の子がいたりして
それでも猫のこと大事にできる？

ばぁばは 56歳で亡くなったの。
おぉ兄が20歳になる頃、ママはその56歳になるよ。
もしかしたらママだって病気になったりしてるかもしれない。

てんてんひとりでも大変だと思うよ？
もうひとり増やして、ふたりのお世話できる？

と、おぉ兄に話ながら。
私も自分で自分を説得していました。

今だけの感情で、命を預かることはできないよ。

保護猫カフェに到着して。
ボラさんたちと合流。
すぐにむぎわら柄のコは貰い手が決まりました。
乳飲み子から育てたい方が写メをみて決めたそうです。
「１匹はボクが育ててみたいんでしょ？」とボラさん。
…いや、私も働かないといけないのでこの大きさだと死なせちゃうかもしれないし。
「それは、その時よ！仕方ない」

でも。
保護猫カフェの方が、ミルボラさんに預かっていただいた方がいい。
仔猫なら貰い手は見つかるから、と言ってくださり。

私はおぉ兄に、
…お母さんは一生懸命このコたちを産んだの。
二時間三時間おきにおっぱいあげたりおトイレのお世話しなくちゃならないのよ。
ママも、あなたたちが赤ちゃんの時夜中も起きておっぱいあげたり一生懸命育てたんだよ。
猫もおんなじ。
猫のお母さんの代わりに育ててくれる『お母さん』見つけてもらって大きくしてもらって、
新しい家族見つけてもらおうよ。

以前保護した『ウズ』と『サヴァ』も、
ここで里親さん探してもらって。
大きなオウチの地主さんちのコになって
幸せにゃんこになったんだよ。

だから、お願いしようよ。

わかってるよ。
クリーンセンターでお別れしたチッチとピッピのぶんまで、ふたりを生きさせたかったんだよね。
おぉ兄がミルクを２つ買ってきたのは
ふたりが大きくなるまでウチで育てるために
２つにしたんだよね。
ウチでお世話したかったんだよね。

と言ったら。
ポロッと涙をひと粒流しました。

そしてだまってふたりをナデナデしたあと

箱のふたをしめました。
「幸せになってほしいな」

そのあと、お渡しした一万円をうけとって
ボラさんたちはこれから練馬に連れていきますって。
ふたりを連れて行きました。
朝から他にもTNRされて、練馬までこのふたりを。
急に仕事を増やしてしまい、申し訳なかったな。

ふたりを見送ったあと。
しばらく保護猫カフェで大人猫たちをさわらせていただいて。
気持ちを落ち着けたのか納得できたのか…
穏やかに保護猫カフェをあとにしました。

…ごめんね。何匹も飼ってもいいような大きなウチに住んでいて働かなくてもいいような暮らしをしていたらふたりともウチのコにできたかもしれないけど。
今はママはあなたたちとの暮らしだけでも精一杯なの。
それに仔猫いたらキャンプもお出掛けもできないよ？

と言ったら。
「仔猫いたらキャンプもお出掛けも我慢するよ…」とだけボソッとつぶやきました。

帰宅後、ボラさんに御礼の電話を入れると。
「１匹はもう里親さんのところにお届けしてきました。
あと１匹はミルボラの方にこれからお願いしてみて、そのあと里親探ししなくちゃね！
あなたも探しておいてね～。
それとまたこういうことにならないように、
手術頑張ってね！」と…

そっか…。
あの黒ちゃん。

ホントはあの黒ちゃん、育てられるのなら
私、育てたかったコなんだよな。

両目のところに白い模様があって、涙みたいだから『涙(ルイ)ちゃん』って。
心のなかで呼んでたんだ。
たった２～３時間のことだけど。

急にお母さんから引き離されて。
姉妹とも別々にされちゃったんだ…

もう涙流さなくても済むように。
元気におおきくなって
可愛がってもらえるオウチがみつかりますように。
どうかどうか幸せになってくれますように。
願うしかできない自分が身勝手すぎるなと今ものすごくモヤモヤ…