
2019年4月5日TNR当日。
緊張して一睡もできなかった。
朝7時半に店舗に着き、猫達を刺激しないよう中をうかがう。
床にはキャリーケースが置かれており、何頭か捕獲しているようだ。
異変を察知した猫達はゴミ屋敷を逃げ回り、家主が申告した5頭を捕獲したのは11時を過ぎていた。
団体のTNR担当者に託し、病院まで搬送してもらう。
一旦帰宅して猫達にご飯をあげ、少し横になったが緊張して眠れない。
白長毛の他に何匹いるのだろう。
私はどうしたら家主が正直に話してくれるのか考えるばかりだった。
夜8時半に手術した猫達を団体が届けてくれる予定だ。
だいたいの金額は家主に伝えたが、お釣りのないように用意しなければならない。
小銭と千円札10枚、1万円札1枚を封筒に入れ店舗に向かった。
家主はとても疲れた顔をしていた。
後で食べてねとどら焼を渡す。
TNR代金は14000円弱。
貴重なチケットを猫達の為に使ってもらい、ワクチンとノミダニ駆除の料金と説明する。
確認すると1万円しかないと言う。
私は用意していたお金を封筒に入れ、猫達を待った。
時間通り8時半に5匹の猫達は無事手術を終え、ゴミ屋敷にリターンされた。
メス4匹オス1匹、ウィルスチェックは陰性、妊娠はしていなかった。
代表は代金を受け取り、術後の注意を説明してくれたが、家主は早々に住居側の扉を閉めてしまった。
さっきまでの家主の態度と明らかに違った。
後日家主に聞いたところ、バカにされていると感じたらしい。
「そんなことないよ。ボランティアさんなんだから。」
と否定した私だが、家主の気持ちは良くわかった。
この相談を持ち掛けた時から私自身もそう感じていた。
でも仕方がない。
団体が手配してくれなければこんなに早く進行しなかったのだ。
しかも飼い猫なのだ。
感謝こそしていたが、精神障害があり、社会的弱者で孤独な家主は、こんなにも蔑まれなければならないのか。
あまり関わらない方がいいわよ。所詮他人なんだから。
という代表の言葉に、私のわだかまりは大きくなっていった。
続きます。
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