鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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95日目「中学生の時に“ない人の18倍の数値”と言われた。」
2026年3月18日(水) 189 / 0

今だから笑って話せる内容なのだが、わりと真剣に私と母は3号を手放す算用をしていた時期があった。
それは4号を引き取るだいぶ前、1号と2号と3号を引き取った日から一週間くらいの間の話である。

「…大丈夫?」

「分からん。」

まだ3号が1号と2号の事を怖がっていた頃。
もう一つ、かなり深刻な問題が発生していたのだ。

「やっぱり、“猫”が原因かしら?」

横たわる娘を前にして、母は途法に暮れた顔をしていた。
しかし、ソレを認識しながらも私は返事をする事すら出来ない状況に陥っていた。

…喘息の発作である。

私は母譲りのアレルギー体質だが、普段は通年性の結膜炎と鼻炎に悩まされているだけで、喘息は数年に一度くらいの頻度でしか発作を起こしていない。
しかし、3匹の猫を引き取った日から夜になる度にヒューヒューと喉が鳴る非常事態に陥っていたのだ。

「愛猫が旅立ってから、猫を触っていなかったからかな?」

「猫が居なかったのは2日だけだし、コレ以上アレルギーに増えられても困る!」

私はハッキリと断言したが、母が言いたい事は分かる。
いくら否定しようとも、猫を引き取った日から発作が出ているのだから理由は明白なのだ。

「…仕方がないから叔母ちゃんに押し付けるかって話してたけど、今となっては笑い話よね。」

バースデーケーキを食べながら、母と娘はしみじみと語り合う。
その周りを4匹の猫達が跳ね回っている状況から察してもらえるだろうが、私の発作の原因は猫ではなかったのだ。

「3匹との生活に慣れた後に4号が追加でしょう?また発作が始まるのかと心配してたけど、大丈夫だったわね。」

そもそも、猫がアレルギーなら最初の一週間で発作が治まる訳がない。
さらに言うと、身体が3匹の猫達を受け入れたとしても、新入りの4号を招いた時に発作が全く起こらない筈もない。

…私の喘息は、全く別の要因によって誘発されていのだ。

「私、一つ思い当たる事があるんだよね…。」

モグモグと酸っぱいイチゴを頬張りながら、母に言う。
この3か月の間、謎に包まれていた事実が年を一つ重ねた事で見えたのだ。

「1号と2号が居た部屋に居たじゃん、“犬”。」

1号と2号は、母猫と一緒に隔離されていた3号と違って元飼い主の女性の家族が待機している部屋にいた。
私と母はその部屋には入っていないが、ガラス戸から薄っすらと太った小型犬のような影が透けて見えていた事をハッキリと覚えている。

「私、アレルギー検査で引っ掛かっているんだよね。」

黙って話を聞いていた母が、あまりの衝撃に固まる。
十秒ほどの思案を歴て、何かに納得した母は大きな声で言った。

「だから一週間で治ったのか!」

引き取った時の1号と2号と3号には煙草のような変わった臭いが染み付いていたので、頻繁にブラッシングを行っていた。
その後はアレルギー対策として部屋を掃除する事も徹底していたので、無事に3匹の猫から嗅ぎ慣れない臭いが取れた。

…それは、私が喘息の発作に悩まされていた時期と重なる一週間の出来事であった。

「1号と2号に犬の毛が付いていたからアレルギーが出ていたけど、無くなれば追加される事もないから発作が出なかった、と…。」

「通りで動物病院に行った時や、叔母ちゃんが大叔母さん家に行った帰りにお土産を持ってきた時にクシャミが止まらなくなる訳よね…。」

普段は“ハウスダスト”や“季節の花粉全種”の事ばかりを気にしていたが、私が動物関係の職を探さない理由こそがアレルギーだったのだ。
鳥だろうが、魚だろうが、爬虫類だろうが、基本的に何でも好きな人間だが、ド定番のワンコがアレルギーな時点で道は閉ざされたも同然なのだ。

「猫に付着していた量だけで発作だもんな…。」

正直、二日前までは元飼い主の掃除の頻度の差が関係しているのかと思っていた。
蓄積されたハウスダストを猫が持ち込んだと考えれば、個人的な感想にはなるが良い家に住んでいた4号の方が綺麗な環境に居たと推察できるからだ。

「でも、原因が分かってスッキリしたね。」

抱っこを強請む3号を持ち上げながら、少しだけ申し訳ない気持ちになる。
大人の1号と2号と違い、可愛い盛りの3号なら叔母が引き受けてくれるだろうと私と母が真っ先に考えた事を知らない3号は、ゴロゴロと満足そうに私の指先を吸い始めた。
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あめちゃ 2026/03/19

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