鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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128日目「猫4匹以外は大体ボロい。」
2026年4月20日(月) 174 / 0

何かが、おかしい。
4匹の猫達は小さな頭の中で思考を巡らせていた。

ご飯はある。
さっき、1号が食べていたから間違いない。

お水もある。
さっき、2号が飲んでいたから間違いない。

オモチャもある。
さっき、3号が咥えていたから間違いない。

トイレもある。
さっき、4号が使っていたから間違いない。

…しかし、いつもは開きっ放しの引き戸が閉じられているのだ。

「いつもはお昼寝している時間なのに…。」

公園を闊歩するハトのような動きで部屋の中を探索する4匹。
キョトキョトと首を上下左右に動かしながら、猫達は何とか状況を把握しようと模索していた。

「…知らない人間の気配がする。」

すりガラスに顔を寄せる1号。
向こう側からなら、可愛い肉球が堪能できたのだろう。

「犬っぽい匂いもするわ!」

フンフンと鼻を鳴らす2号。
1号と2号と3号の元飼い主の女性は犬も飼っていたようなので、懐かしい匂いに感じたのだろう。

「オモチャが隙間に入って、取ーれーなーいーの!」

必死に前足を伸ばす3号。
他の3匹と違い、あまり状況の変化は感じていないようだ。

「ペットホテル、ヤダー!」

忙しなく動き回る4号。
緊張した様子で扉に手を突き、小さな声で何度も窮地を訴えている。

「皆、もう少しだけ我慢しようね…。」

ワタワタと落ち着きのない4匹に声を掛け、新しいティッシュペーパーの袋を開封する。
アレルギーの症状が出ているが、原因は猫達ではない。

「家には、ゴールデン・レトリバーが居るんですよ!」

和やかに母と会話をする男性の声を聞きながら、先ほど届いた“ミニチュア袴”を開封する。
前に“お茶犬のぬいぐるみ”が当たった懸賞に、また当選したのだ。

「今回は、“25300円”か…。」

一昨日から止まらなくなっていた水道の蛇口の修理費に思わず、ため息が出る。
壊れてから三日も経過しているが、コレでも最短だったのだ。

「前に修理を頼んだ時の倍だったわね。」

「直っただけでも感謝しないとね。」

今住んでいる家は、私が生まれる前に建築された建物である。
たった2丁しか離れていない家々が全壊した震災すらも乗り越えた頑丈さが売りだったようだが、今では雨風の侵入を許してしまうレベルのボロ屋なのだ。

「引っ越し、したいわね…。」

軽くなった財布を鞄に仕舞いながら、母がしみじみと呟いた。
10日前にほぼ一人で換気扇を付け替えた母の器用さを持ってしても、我が家が抱える山積みの問題は裁き切れないようだ。
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