鞠緒さん

鞠緒

兵庫県 30代 女性 ブロック ミュート

猫飼い歴=年齢。 一度はその栄光の歴史が途絶えてしまうも、僅か4日で復興。 現在は1号(♂)と2号(♀)と3号(♂)と4号(♂)の4匹が在籍中。

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305日目「暇を持て余した飼い主の遊びに渋々ながらも付き合う律儀な猫達。」
2026年10月14日(水) 8 / 0

掃除を終えた私は、編み物に勤しむ母の傍らに座り込む。
太ももをペチペチと叩きながら寛ぐ為の準備を行うと、ドタバタと猫らしからぬ足音を立てた猫達が集まってきた。

「そう言えば…。」

編み目を数えていた母が、急に思い出したように話し始めた。
私は母の声に耳を傾けながら、1号と2号と3号と4号を抱き寄せて背中を向けさせる。

「お母さんの同僚が引越しをするらしくて、新しい家の内見に行くそうよ。」

「へぇ、羨ましいね。」

1号の首元に当選品の花束に付いていた白色のリボンを巻き付ける。
黒色の多いキジトラの1号にはよく似合っているが、もう少し大きな濃い青色や赤色のリボンがあれば完璧だった(かもしれない)。

「ソコの家には、犬が居たって話したでしょう?」

「うん、去年の12月に旅立った愛猫用に買い溜めしていたオムツをあげた犬でしょう?」

2号の首元にお高いチョコレートに付いていた緑色のリボンを巻き付ける。
グリーンの瞳の黒猫の2号にはよく似合っているが、もう少し大きなパステルカラーのリボンがあれば完璧だった(かもしれない)。

「何の犬だったか、覚えている?」

「…チワワ?」

3号の首元に母が作ったバンダナを巻き付ける。
キジトラとラグドールのハーフの3号にはよく似合っているが、フリルとラインストーンが付いていれば完璧だった(かもしれない)。

「そうそう、何kgだと思う?」

「…7kg?」

4号の首元に何に付いていたのか不明の赤色のリボンを巻き付ける。
ヘーゼルの瞳の黒猫の4号にはよく似合っているが、もう少し大きな濃い青色や赤色のリボンがあれば完璧だった(かもしれない)。

「えー、何で分かったの?」

「わざわざ聞くぐらいだから、身体の大きい3号や4号より重いとは思った。」

私は本気で“当てるぞ!”と強く願う事以外の勘の方が当たりやすいようで、“得ではあるが本命からは微妙にズレている品”や“外れたところで損はない当てずっぽう”を引き当てる事が多々ある。
そう言う意味では、“運が悪い”と自称しながらレアリティの高い物を当てまくる母とは対極なのかもしれない。

…余談だが、“じゃんけん”に負けてばかりいる事を嘆く母がただ一人、“絶対的に自分の方が勝率が高い”と断言できる相手こそ、何を隠そう娘の私だったりする(同級生との勝負に参加させてもらえなかった過去を持つレベル)。

「…まだ、やるんか?」

「私は装飾品が無くても、可愛いのよ!」

「コレ、クルクル回るからペロペロ出来ない!」

「…引っ張ったら、解けちゃった!」

不満そうな顔でジッとしている猫達だが、ワシャワシャと身体を撫で回すとゴロゴロと喉を鳴らす単純さが愛おしい。
そんな懐が広い飼い猫と暮らす私は当たり前のように、母が買い漁ったドレスを手にニンマリとした笑みを浮かべた。
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