感動するお話し

いつだれが作ったお話しか分かりませんが
こんなお話を見つけました。

今、みなさんの目の前にいるにゃんこはこうやってやってきたのかな？
うちは猫飼うのは初めてだったから
きっと子供の頃飼ってあげたくても親の反対で飼えなかった
にゃんこ達のうちの誰かなのかも。

　ねこが下界に降りるまで

【聞き取り調査】

神様：で、日々どんなモフリ方されたの？
ぬこ：お腹を見せてあげると、腹ばいで擦り寄ってきて
　　　わたしの腹毛をなでたりするの。あごとかもなでてくれたよ。
神様：いやなことはされなかったかな？
ぬこ：う～ん・・・一緒のお布団に寝てたとき、何度かエルボーされたかな。
　　　あと、お風呂は嫌い。それと、白い服を着た人はちょっと。
神様：お着替えの順番が来たら、またあの人に抱っこされたいかい？
ぬこ：どうしようかなー

神様：ちょっとモニターで、下の様子見てみる？今、夜中だけどね。
　　　　あらら、お布団かぶって泣いてるよ？鼻水もいっぱい。
　　　　あれじゃ、明日会社に行けないねー。まぶたが三倍くらいになってるよ。
　　　　順番どうしようか、ねぇ、あれ？ぬこさん・・・どうしたの？
　　　　え。今すぐあそこに戻りたいってそんな。はいはい、そんなに焦らないで。
　　　　お着替え済んでからにしようね。今、色見本のノート持ってくるから・・・

注：「白い服を着た人」
　　言わずと知れた、消毒液のニオイのする、あの人・・・

【お着替え相談中】

神様：どれにする？
ぬこ：いまのが気に入ってるんだけど、このままじゃダメ？
神様：同じ人のことに行くんでしょ？
　　　すぐに気が付いたら面白くないから、変えようね。
ぬこ：じゃ、子猫時代はグレー、成長してからシマ模様とかは？
神様：意外とシックな趣味だね。あ、ダメダメ。そっちはライオンさんのだよ。
ぬこ：ねぇ、今度も小顔の美人にしてくれる？
神様：う～ん、顔かたちは変わる場合もあるなぁ・・性格とオヤツの好みは変えないように、本部に連絡入れとくから、ね？
ぬこ：う～ん、どの色にしようかな・・・

【日取り相談】

神様：毛皮、もう決まったみたいだね。
ぬこ：うん、あとﾁｮｺｯﾄ染めるだけなの。早く下に行かなきゃ。
神様：あのね、その件でちょっと相談があるんだよ・・・
　　　ぬこさんには、早めに下に行ってもらおうと思ってたんだけど
　　　緊急のぬこさんがいてね。一回、順番を譲ってもらえないかな？
ぬこ：う～ん。その子、下に急ぎの御用があるんだよね？
　　　わたし・・・あの人に、いっぱい抱っこしてもらったし・・・
　　　うん、一回譲ってもいいよ。
神様：助かるナァ。例のあの人には、ノラやってるぬこさんに出会えるように
　　　手配しとくから。あれ、どしたの。ちょっと心配かな？

注：順番を譲る
　　ぬこさんは、人間のようにセカセカしていないので、時に順番を
　　他の子に譲ってあげます。きっと、お昼寝をよくするせいでしょう

【日向ぼっこ中】

神様：今日もいい天気だねー。
ぬこ：ここはいつも春なのね。こたつ出さなくても暖かいけど
　　　なんだか物足りないわ。お腹も空かないし。

神様：まぁまぁ、今日は時間があるから、ちょっと下を覗いてみようか。
　　　あらー。ぬこさんの下僕、手配したノラさんたちに見向きもしないで
　　　会社に行ってるよ。まだ目がﾅﾐﾀﾞでいっぱいだけど、大丈夫かな？
　　　ふあっ、ぬこさん・・・背中に乗るのはいいとして、そこで爪を研ぐのはよしなさい。
　　　抱っこしましょ、抱っこ。
ぬこ：・・・ふーん、結構抱っこが上手ね。
神様：そりゃ、柔らかくて丸いものが抱っこしたくて「ぬこさん」を創ったんだもの。
　　　　神様は抱っこの元祖なんだよ。
ぬこ：あの人も抱っこがトッテモ上手だったよ。ナデナデも・・・

【わたしの下僕さんへ】

昨日、神様と一緒に、そちらの様子をみました。
毎日毎日、わたしのことばっかり思い出してるみたいね。
ノラさんを見たとき、あなたの目からﾅﾐﾀﾞがあふれたのを見たよ。
いつものパン屋さんで「花粉症ですか？」って言われちゃったね。

「なんで悲しいのにお腹がすくんだろう」とか、わけのわかんない事を
言ってないで、ご飯はちゃんと食べましょう。
それから、ﾅﾐﾀﾞで前が見えにくいと、わたしのこと見つけられないよ。
もうすぐそっちに行くと思うから・・・

【わたしの下僕さんへ（お知らせ）】

このたび、衣装も新しくして、下に降りることになりました。
順番が来たら、係りの人が呼びにくるそうです。

でもね。探してくれないと会えないんだって。
わたしは下に行くと、今までのことを忘れちゃうんだって。

それと、もし会えても、わたしと前のぬこさんを比べないで。
前のわたし、これからのわたし。
同じようでも違うんだからね。

それから・・・下僕さんは猫飼いの修行がチョット足らないということで、
新しいわたしの性格に「ガブリエル機能」が付くかもしれないって
・・・神様がそう言ってました。

注：ガブリエル機能
　　あの有名な動物マンガに出てきた「ガブリエル」という猫さんから
　　ついたもの。下僕への溢れる愛が生み出す＜噛む＞行為のこと。
　　愛ゆえに傷さえいとしい場合でも、やはり消毒推奨。

【出発】

神様：じゃ、そろそろ行こうか。
ぬこ：なんかちょっと不安。ねぇ、最初からもう一回、かお洗ってもいい？
神様：大丈夫、もうすぐ眠くなるからね。ねんねしてる間に下に着くよ。
ぬこ：あの人にちゃんと会えるかな？
神様：そうだねー。会えるといいね・・・ほれ、丸くなってお眠り。
ぬこ：ここ・・・なんだか、いつもより暖かいね・・・

【ぬこさんの下僕さんへ】

たった今、あなたのぬこさんを、確かに下に送りましたよ。

今までの幸せを思い出すのは、悪いことじゃないんだけど、
いつまでも泣いてると、柔らかくてふわふわの小さなものが
目の前に置いてあるのに気が付かないよ。

聞き取り調査によると、あなたは、なかなか良い下僕だったみたいだね。
リストに載せといたので、その後いろいろ住み着くかもしれないけど
どうぞよろしくね。

ぬこさんをどこに置いたかは秘密です。
ノラさんか、お隣の家か、お友達の家か・・・
ぬこさんといつ会えるかも秘密です。
明日かもしれないし、半年後、あるいは3年後かも・・・

あ、そうそう。よいこにしてないと、会えないからね～

【　再会　】

気が付いたら、箱に入れられていた。
何かにくっつきたいけど・・・箱の中は、わたしひとり

ぼんやりとしか見えない目で、ぼんやり上を見ていたら
大きな手が伸びてきて、わたしをつまみ上げた。
ノドがひとりでに鳴る・・・ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ

はじめて見る、にんげんの部屋
タオルとかいう布の上に、そっと置かれた。

あれから、どのくらい眠ったのかな
目がさめたので、大きなアクビをしたら
ｸｽｸｽという声がして、やわらかい指で、あごをなでられた。

・・・ねぇ、うちの子になる？
そう言いながら、その指は、わたしの鼻をﾂﾝﾂﾝした。

わたし、この指を・・どっかで見たような気がするんだけどなぁ・・・