時間と環境が許すなら、せっかく縁あって来た子だから、最後まで愛を注いであげたかった。捨て猫だった子だから、余計にちゃんと親になってあげたかった...。


でも、どうしても銀花とはうまくいかず、銀花の膀胱炎が再発して、つらそうだった。毎日毎日、容赦なく黒天に噛まれて、引っ掻かれて、傷だらけになっているのも忍びない。それでもいつしか「フシャー!!」と威嚇することはなくなったのだが...。そして、いつも家にいる訳じゃなく、毎日遅く帰って来て、出張で何日も家を空けることもある私の代わりに、面倒を見てくれているのは夫だ。仕事しながら、1日中、黒天をあやしたり、諭したり、しつけてくれている...。
夫にも銀花にも申し訳なくて、そして、黒天の居場所としての環境を考えて、里親トライアルを終了することにした。そのことを保護主さんにお伝えすると、心温かく了諾してくれた。
「覚悟を持って迎えて下さったことは、お申込み頂いた時のお気持ちで十分分かっております。なので、戻して頂くことは、黒天ちゃんには何のマイナスにもなりません。一杯愛情を注いでくれた人が増えたという事なんです。2週間の間、とても可愛がって頂き、風邪をひいたら病院へ連れて行ってもらって、その愛情は黒天ちゃんに伝わっているはずですので、戻す事を「可哀相」と思わないで下さいね。私もよくして頂いて本当に感謝しております。」
そう言って頂いて、少し救われたけれど、最後までしっかり引き受けられなかった申し訳なさでいっぱいだった。
今日はお別れの日。寂しいけれど、新しいしあわせに向かって見送るのだと思うことにした。

「ボク、好きだったよ。仲良くなりたかったよ。銀花ねぇさん。ごめんね。ありがとね!」 by 黒天




















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