ぼくの名前はラテ。家族はらー君で呼んでくる。
とある日、おやじの友人が「この子を保護したんだけど…」っていう一報をおやじに届けたんだ。そしたらおやじが、一目見て「運命だ」って。
それからというもの、まだ哺乳瓶でミルクを飲んでたぼくはこの家の「猫次男坊」として正式に仲間入り。
でもね、ぼく、ただの甘えん坊猫じゃないんだ。
とっても賢いんだ。よく家族を観察してたら電子レンジの開け方わかるしね(自慢)。
人間がパンを食べてると「うん、これはぼくの分もあるはずだ!」って思って全力で交渉に挑むんだ。作戦は日々進化中。
パンの香りがしたら最後、全神経を集中させて、何とかおこぼれをもらえないか考える。そう家族vs ラテ の戦いは、毎日が本番!
あと、白湯がだーいすき。湯気の立つカップが見えたら、ついつい近づいてしまうんだ。
寂しがりやなところもあって、誰かがいなくなるとちょっぴり不安。でも見て見て、この運動神経!ぴょーんと飛んで、だいたいのことはできちゃう。
ただ…ビニールの袋には目がなくてね。見つけたら引っ張り出すし、かみちぎっちゃう。これはやめられないんだよなあ。
そんなぼくだけど、毎日いっぱい愛されて、ぼくもこの家族のことが大好き。
「ぼくがこの家に来たとき、
そこにはすでに、りお兄ちゃんがいたんだ。
最初、ぼくは小さくて、まだミルクしか飲めなかった。
そんなぼくを、りお兄ちゃんは少し遠くから、じっと見てた。
べつにすぐに寄ってきたり、ベタベタしたりはしなかったけど──
でも、ぼくがちょっと不安になったとき、
必ずどこかに、りお兄ちゃんがいてくれた。
お風呂あがりを待つときも、
ファンヒーターの上であったまるときも、
りお兄ちゃんは、いつも『ここにいるよ』って教えてくれた。
ぼくが大きくなって、いっぱい走り回るようになったあとも、
りお兄ちゃんは変わらなかった。
静かで、やさしくて、
だけどちゃんと、家族を、そしてぼくを見守ってた。
今はもう、りお兄ちゃんの姿は見えないけど、
ぼくは知ってる。
高い空の上から、
『ラテ、ちゃんと見てるよ』って、
あのときと同じ静かなまなざしで、
ぼくたちのことを、ずっと見てくれてるんだ。」
これからも、元気に賢く、ちょっとやんちゃに生きていくよ。
よろしくにゃ!