これは、大の猫嫌いだった中年オヤジのゲンさんがひょんな事から二匹の猫を世話することになり、しだいに猫好きへと変貌していく様を書いた実話だよ。

〝猫会より遣わされた仏の化身〟
もう一人の感謝すべき人、それはチップ君。
靴下を履いたように足先が白く、ジャケットを羽織ったように胸のところも白いキジトラ猫さん。
何事にも動じない、おっとりした性格。行動が人間っぽく、あの猫嫌いだったゲンさんを見事猫好きに変貌させた功労者。
猫嫌いの人がこの世からいなくなるようにと猫会より遣わされた仏の化身ではないかと思うことがあるよ。そんなチップ君。
ゲンさんちに僕が始めて現れたのがまだ二ヶ月にもならない位の子猫だったんだ。
お母さんとはぐれて行き所がなくなってゲンさんちのジョロで夜を明かしたところを保護されて。
そのときゲンさんちにはもう大人のチップ君がいたんだ。
といってもチップ君もまだ保護されて一ヶ月もならない位だから、まー僕たち一緒に保護されたといってもおかしくないよね。
もちろん猫の事なんかこれっぽっちも知らなかったゲンさんだから、一匹も二匹も一緒だろうぐらいしか考えていなかったモンね。
でもね、後から色々調べるうちに、猫でも折り合いが悪く先住猫が粗相したり、家を出て行ったりとか色々なトラブルを起こすことがあるって分かったよ。
その点僕は恵まれていたよね。
チップ君は大人だったから僕の事を自分の子供のように可愛がってくれたんじゃないかと思うよ。最初から仲良くしてくれたし色々面倒みてくれてたよ。
もしかしたら僕の耳が聞こえない事、チップ君だけは気付いていたのかもしれない。
そして、僕の事守ってあげなくちゃと思ったのかもしれないね。
それで、まだ小さな僕のそばにいつもいつも居てくれたのかもしれないよ。
だから僕も全然寂しくなかったし、安心できたんだ。
本当に僕はいい人達に巡り会えてよかったよ。
こんなチップ君に感謝、感謝。
さあ、いよいよ僕たちがゲンさんちにお世話になって一年目を迎える日が近付いてきたよ。
そして、ゲンさんは僕たちにステキなプレゼントを用意してくれたんだ。
それはまた次回。
お楽しみに。
※僕たちの近況

穏やかな寝顔のチップ君。
これで本当に仏の化身なのかな。みなさんどう思います。
byホワイト



















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