予約の時間帯なので、患者は予約者のみ。
僕と…もう1人いたかな。
採血してもらい、検査結果を待っていた。
すると、一組のカップルらしき男女が、白い発泡スチロールの箱を持って入ってきた。
嫌な予感がした。
予感は的中。
話を聞いていると…
どうやらそのカップルは、地元の人間ではなく、旅行に行くために空港に向かって車を走らせていたという。
すると、発泡スチロールの箱が落ちていて、見ると動いていたらしい。
車を停めて箱を開けると、中には弱った仔猫。
慌てて病院をスマホで探し、連れてきた、と。
が、病院は、病院として引き取れない。
そんな事をやっていたら、キリがないからだ。
しかし、カップルもこれから旅行。
あーでもない、こーでもない、と、押し問答が続いていた。
僕は…最初は我慢していたが、我慢しきれなくなり、間に入った。
『僕が引き取りますよ』
と。
金もない人間が、よく言ったものだ。
馬鹿丸出しだ。
阿呆と言われても、バカ野郎と言われても、何も言えない。
正直、その仔猫は弱りきっていた。
蟻だらけ、ノミだらけの身体。
冷たい身体。
鳴きもしないし、動かない。
ノミがいるとうちのニャンずに移るので、良くも悪くも、一泊入院となった。
しかし、獣医からは…
『肺炎を起こしているかもしれないし、この状態じゃ、一泊入院してもどうにもならないかと』
と言われた。
けど、金がない。
『あとは、僕が出来る限りの事をしますから』
と言った。
話は長くなったが、結果一週間が経ち…

元気になった!
よく食べ、よく鳴き、よく暴れ(笑)
1週間前、死にかけていたとは思えない。
獣医もビックリの回復だった!
名前は『キラリ』で女の子。
サビ柄だ。
でも…
僕の家も、これで5ニャン!
本当なら、和歌山にあるような、以前紹介したような保護ネコ団体に協力を願いたい!



















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