最後の猫 - ゴマ子さんの猫日記

最後の猫

2019年1月4日(金) 492 / 6

1月2日の夜、私の実家で飼っていた猫が亡くなりました。

突然のお別れでした。

年齢はもう15歳ぐらい。

白黒の牛柄のオスで、実家で飼う初めてのオスだった。

この猫との出会いは、私の実家の隣の空き地にいるのを家族が見つけました。
まだ生後1ヶ月から1ヶ月半ほどで、小さい体には全身柄かと思うほどのノミがいた。
目は塞がり、歩けないほどの衰弱。

すぐに獣医の先生に往診に来て頂き、固まり塞がっていた目を開けてもらった。瞬膜がパンパンに腫れてこの子の目の色など全然見えなかった。

先生からは、すぐにまた目が塞がるから、1日に何度も目を開け目の軟膏や目薬、抗生剤の薬などの投与の指示がありました。

私には兄がいるのですが、当時兄は転職先を探している最中で自宅で自由になる時間が多く、私も実家を出た後だったので、子猫の面倒は兄がみていました。

毎日毎日助からない可能性の高い子猫の世話を兄は続けました。
目はすぐに目ヤニで塞がる、薬は嫌がる、決して楽な世話ではありませんでした。

しばらく子猫の看病は続きましたが、それでも1ヶ月が経つ頃には目も見えるようになり、風邪の峠を越え子猫は順調に大きくなりました。

子猫を拾ったとき、実家には犬も猫もいませんでした。
ずっと飼っていた犬や猫が亡くなり、その後は動物を飼うことがなかったのです。

子猫は順調に大きくなることができ、その後ずっと実家で暮らしていましたが、今まで飼った猫とは全く違う猫でした。

兄のことがとにかく好きで、忠犬ならぬ忠猫でした。

兄がトイレやお風呂に入るときにはその扉の前で待ち、出てきたら後をつける。
兄が仕事から帰ってくるときは、時間がまちまちなのに、玄関を開ける音で兄とわかり、玄関まで毎日お出迎え。

助けてもらった恩を忘れていないのか、とにかく兄が全ての猫でした。

2日の夜6時頃、母から猫が急に倒れたどうしたら・・・と電話があり、意識の具合やオシッコの量や色などを聞いたりしました。そして、救急病院に行くのかどうか？など母と兄の意見を聞きました。
実家は車がないので、連れて行くなら向かうよと言いました。

母と兄の意見は、呼吸も落ち着いているから様子を見るとのことでした。

そして夜11時近くにまた電話があり、兄のひざで眠るように息を引き取ったと連絡がありました。

最後の最後まで兄を求め離れず亡くなった・・・私はこの子は幸せな最後を迎えたなぁと思いました。

例えばもっと頻繁に病院に行ったりすれば、長く生きたかもしれない。
でも15年とくに大きな病気もなく、前の日まで好きな物を食べ兄に引っ付いたまま最後を迎えたこの子はなかなかの幸せ者な気がしました。

母がもう高齢なこともあり、今後猫は飼わないと言っているので、私の実家で飼う猫はこれで終わりました。

寂しい気もしますが、生き物に対して責任を持って飼いたい気持ちが強い2人なので、それでいいと思っています。

今の私の生活では最後の1匹は現実的に考えれることではありませんが、きっと寂しくてたまらない気がします。

まだまだずっと後に経験すると思いますが、最後の1匹まで責任を持って見送りたいと考えています。

81 ぺったん