同じ事務所で仕事をしていた。
今でも、その事務所に立ち寄る機会が多く、
ときどきセンパイとも出会っている。
で、そんな先日。
私が事務所に車で乗り付けると、珍しくセンパイが隣りのYさん家から
ダッシュで駆け寄ってきた。
つい、顔がほころんでしまう瞬間だ。
あくまで瞬間である。
しっぽを立てながら意味不明の声を上げ寄って来るセンパイ。
その意味不明の声に、更にチーチー音が混ざる。
よく見るとセンパイ、口になにかくわえてらっしゃる…
怪訝な表情になる私。
どうやらセンパイ、雀を捕まえたよう。
軽く噛まれた雀が私に「HELP!」と鳴き叫ぶ。
センパイとしては、久々に捕えた大物を、私に見せようとドヤ顔なわけらしい。
数瞬迷ったが、センパイを驚かせて、口が開いた瞬間に、雀は飛び立って逃げた。
「ちょ、あんた何してんの!」な表情で私を見つめるセンパイ。
確かに私の行った行為はけん責処分モノである。
また、彼女の厚意を無にしたことにも申し訳なさを感じてしまった。

事務所の玄関前で、座り込み、
10分ほどセンパイをモフモフしながら謝罪。
最終的にはお咎めなしで、満足されてYさん家に帰られた。
掌に残った彼女の体毛を空に払いながら、
私はいったい、ここに何をしに来たのか、思い出せなくなっていた(笑)



















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