まるでミサイルみたいだなぁと思い、ミサイル少女と呼んでいた。
何か興味のあるものがあれば、た~っとダッシュで向かい、
ど~んと当たって破壊する。
亡くなって間もない、キムンの骨壺に命中して倒し、青い顔してた頃が懐かしい(笑)
キムンを喪い、落ち込んだ気持ちのベクトルが、
ほんの少し変わった瞬間だった。

あれから5年もの月日が経った先日、
家に忘れ物を取りに帰った。
縁側にはスヤスヤ眠りこける姐さん。
あまりに動かないので、心配になって揺さぶって起こす。
無防備さに驚くとともに呆れるもの。
寝ぼけ眼に大あくびの姐さんと目を合わせて、大笑いした。
響き合う。
実のところ、
姐さんの破壊したものは唯一、私の劣等感だったように思っている。
何をするにも自信のない私は、意識してもしなくても、
30年以上も劣等感を持ち続けていた。
いまもって、自信があるわけではないけれど、不安感は無くなった。
彼女は、こんなダメな私でも、いつでも認めてくれる。
私は、しっかり立てる場所を見つけることができて、気持ちがラクになった。
ラクは「楽しい」と書くようだ。
再び眠りについた姐さんの、横顔をそっと撫でる。
ねぇ姐さん、
誰かの歌にあったよう。
ジンセイのストーリーは、一生じゃ足りないね。



















21
最近のコメント