理由は脱走。
我が家の台所の窓は、半分だけ脱走対策で網が張ってあり、残りは半分は外で仕事する父と家の中にいる者とのやり取りに使われています。「水くれー」とか「ミニトマト採ったぞ」とか。
先日の朝、何の用事があったのか父がこの窓を半分以上開け、そのまま忘れてしまったのです。
ブッコさんはもともとは外を自由に歩いていた猫。
外に出してもらえないとわかっているようですが、隙あらば外に出ようとする素振りを見せます。そんなブッコさんがこのチャンスを逃すはずはありませんでした。

「ブッコに逃げられた」と平然と話す父。
は?
「大丈夫。工場(こうば)の中にいて戸は閉まっているから」
工場とはかつて精米業を営んでいた建物。
取り敢えず行ってみると、ちゅ~るを持った母がいました。近づこうとすると逃げてちゅ~るをあげることもできないよう。
「ブッちゃーん」と呼んでみると、「ニャーン」と心なしかいつもより可愛い声で鳴いてちょっとだけ近づいてきたブッコさん。
そこで母にキャリーを持って来てもらい、ちゅ~るを差し出す私。
ブッコさんは少しずつ近づいて来て、やった!ちゅ~るを舐めた!
しかしその体勢は私の正面に対してまっすぐ縦になっています。
猫の知能は2歳児並み、と、何かで見た気がしますがどうしてどうして賢い。私がブッコさんを抱き上げやすいようにと体を移動させると、ちゅ~るを舐めながらブッコさんも同じように移動する。
結局、ちゅ~るを進呈しただけに終わってしまいました。
ちゅ~るが無くなると、工場の中を冒険するブッコさん。今ではゴミやガラクタ、その他いろんな道具の置き場になっているから、猫にとっては楽しい場所かもしれません。
ですが建物の中と言っても、もともと土足で作業していた所で、外とあまり変わりません。いろんな所に潜ったり床にゴロゴロしたり、みるみるうちにブッコさんの毛皮が汚れていく…
もう、強硬手段しかない。
母にキャリーを持って後ろからついてきてもらい、私はあくまでも笑顔、猫なで声で声をかけます。
「ブッちゃん楽しい?良かったね~。楽しいね~。可愛いね~。」
ブッコもなかなか警戒を解かず、私と一定の距離を保っています。そろそろと距離を詰める私。警戒するブッコ。
しばらくそんな攻防が続き、膠着状態に入ったと思われた時、ブッコさんが私の側を素早く通り過ぎようとしました!
今だ!
ガシッとブッコの腰のあたりを掴む私。もがくブッコ。
嫌がるブッコの様子に一瞬手を放しそうになりましたが、ここで放したら次はない。
なんとかそのまま抱き上げて、キャリーにin!
キャリーの中で哀れっぽく鳴くブッコさん。
いつもはダミ声のような声なのに、こんな時は何故か可愛い声。
家に戻ったら出してあげるね。
家に戻ったら、まずは体をきれいにしないとね。と、タオルを絞り、水のいらないシャンプーでゴシゴシ。もちろんブッコさんはこれも嫌がり、またしばらくの間攻防が続きました。
水のいらないシャンプーでは、すっかりきれいにはならないけれど、それは仕方ない。

でも1日経ったら思ったよりきれいになっていました。
お家にいたら美味しい物が食べられるんだよ、と朝からウェットフードをご馳走しましたが、捕まえられ、キャリーに入れられ、あまつさえ体をゴシゴシされたブッコさんは不信感でいっぱいになったらしく、しばらく私が近づくだけで逃げ回っていました(´・ω・`)
父にはこのことも含めて、きつく文句を言いましたが、別に反省はしていない模様。昭和の人ですからね。脱走対策はしても、人のうっかりミスはありますから、くれぐれも気をつけないと、と再確認した出来事でした。

こちらはブッコによく似たどこかの猫さん。

早朝は肌寒くなってきて、膝に乗ってきてくれるようになりました。



















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