ワタシが親父さまのお家に来たのは2017年の7月14日の金曜日だったわ。
忘れるはずないわよ、だってこの日はクロノスさまのお誕生なんですもん。
あの日は暑い日だったわ。
ワタシは親父さまの会社の近くにあるペットショップにいたのよ。
そこでワタシは、毎日、ご主人様の候補を探していたの。
親父さまがワタシを選んだんじゃないわ、ワタシが親父さまを選んだのよ。
いいえ、違うわ、選んであげたのよ。

そもそも、ワタシが親父さまのお家に行くのは必然だったのよ。これって運命って言うのかしら。
親父さまはね、「対」を大切にしていたの。
先住のクロノスさまがアメショでしょ。「対」になるにはアメショじゃなくちゃだめなの。
クロノスさまが男の子、だから「対」には女の子。
クロノスさまがレッドタビーなら、「対」はシルバータビーなの。
そう、ワタシは来るべくして親父さまのお家に来たのよ。

親父さまはクロノスさまをお飼いになって半年、いつも昼間、ひとりぼっちのクロノスさまが淋しいんじゃないかって心配していたのよ。
それで、クロノスさまのお誕生日にワタシが来たわけ。

アメショのシルバータビーで美人の女の子を探していた親父さまがワタシを見逃すはずがないわ。
会社のお昼休みに、何度かワタシを見に来ていたのを憶えているわ。
ワタシもお店で親父さまに抱っこされた時、ビビビって来たの。
あっ、このヒトのお家に行くんだって。

ワタシ、その日の夜に電車に乗って親父さまのお家に来たのよ。
そんなに大きなお家じゃなかったけど、満足だったわ。
あのペットショップの狭いケージに比べたらここは天国よ。
その日にクロノスさまと初対面したわ。
クロノスさまがシャーって言ったら、ワタシもシャーって言い返そうと身構えたら、クロノスさま、すんなりとワタシを受け入れてくれたのよ。
まあ、ワタシが美人だから当然のことね。
美人って、ホント、罪だわ。

ワタシのお仕事は親父さまのお家の安全を守ること。
今日も、パトロールに余念がないの。
だって、クロノスさま、頼りないから。
ワタシがしっかりしないとだめなのよ。
これからも、よろしくお願いします、なのよ。
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