うちにやってきて、もうそろそろ5年になるが、
未だほとんどニンゲンに慣れていない。

彼のニンゲン(他人)信用度を0とすれば、
私は+3、嫁は+1くらいだろう。
つまりフリーで触れることが困難なレベルだ。
それはたぶん、彼の保護された際の
嫌な記憶や、母猫からの野良教育であったりなど、
様々なファクターが起因だとは思う。
こういうネガティブな記憶や経験を、
うまく帳消しにできる育て方ができる方がいるのも現実だ。
けれども私たちにはそんなスキルもなく、今の今まで自由に育ててきた。
近づくと「ぴゅっ」と逃げる。
そんな彼のことを、私たちが苦手かと言うと、全くそんなことはない。
私も嫁も、ナミのことが大好きだ。
他の子たちと同じように甘えてほしいとは思うけど、
そんなの結局はニンゲン側の身勝手にすぎない。
だから、
基本的にはナミは撫でることができないけど、
ときどき撫でることのできるときがある(笑:私は)、
また、何かを要求して、少し離れたところから鳴き声でアピールする。
そんな経験が、他の子たちに比べとても貴重で、
だからこそ、彼のことが大切に思えるのだ。
彼には彼の事情がある。
それをリスペクトして、彼の無理がない範囲で、
私たちとコミットしてくれればいい。
そんなふうに思ってる。
愛とは許すことらしい。
畢竟、自分のことしか考えない猫族の、潔い生き方に、
心奪われた私たちとの出会いの、
これも一つの類型にしか過ぎないのだろう。
ナミとの出会いは、全くもって不幸じゃない。
何故って、私はナミといて本当に楽しいからね。
ニンゲンにも色んなやつがいるように、
猫族にも色んなやつがいるよ。
つまりは、それだけのことだろう。
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