彼女の不思議な習性として、
私たちがそばにいると食事を頑張る!というものがある。
キホン、彼女の食は細い。
だから放っておくとあまり食べない。
少しだけ食べて、すぐに口を離してしまうのだ。

それでもどういうわけか、
私たちがそばにいれば、
がぜん頑張って食べ始める。
フードの入った食器の横で、私がそれを「食べるフリ」をするだけで。
さらに、背中を撫でてあげると効果的だ。
どんどん食べて、ときにおかわりを求める。
腎不全で痩せた彼女の体重を戻すため、
朝も夜も、彼女の食事につきあうようになった。
出勤前は、時間がとりにくいこともあるけれど、何とか作るようにしている。
その甲斐もあってか、体重は+500グラムと順調に増えた。
うちにはたくさんの“しっぽ”たちがいて、
時にひとりひとりを見ることが難しくなる。
けれども、こうした時間を設けることで、
改めて、ノンノと向き合うことができている。そして毎日思う。こんなにカワイク愛おしい娘が、そばにいてくれたんだと。
彼女もそれが嬉しいのか、
食事中は何度も立ち上がって「たっち」する。
細い目で「ほぼ父親」の私を見る。
私たちは、種族の違う「ほぼ親子」だ。
奇妙な縁と、そこから紡いだ確かな信頼関係で、僕らの未来は繋がってる。
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