つまりは、肉体と魂が切り離されたのち、
まだそのへんをふわふわしていたノンノの魂が、
とうとう彼岸に行った、ということらしい。

その敷居となる日を越えたとて越えないとて、
私の気持ちは、まだまだ寂しい。
油断すると彼女のことを思い出し、
戸惑う日々だ。
保護活動なんてことをしてると、
様々な猫族の死に立ち会う。
だから、いつしか生き物の生死というものに慣れてしまって、
ずいぶんと鈍感になっている。
そんな風に思ってた。
けれども、それはそう思ってただけだったようだ。
ノンノと、もっと一緒にいたかった。

こんなに寒くなって来ると、
いつも一緒に寝てたから、
そこが空白なことが、こんなに寂しいとは思わなかった。
ノンノの小さな掌を指でつまんで、
押して爪を出したりして遊んでた。
そうすることで明日が不安な夜だって、不思議と安心して眠れた。
猫型カイロは、気持ちの芯まで温かくしてくれてたね。
大人になって、年老いて、
いつしか色んなことも忘れるようにできてる便利な身体。
それでも忘れられないこともあるもんだ。
この消えない寂しさは、きっとノンノの存在の大きさ。
無理に忘れたりはしないけど、
もう少しは整理できるようにしてみたいな。
けれども、私は、そんなに器用じゃないのかもしれない。

ノンノがいなくなってレプン姐さんは、
私に甘える機会が増えた。
そんな彼女と、ノンノの想い出を分かち合って、
明日を戸惑わず生きていたい。
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