また、自由奔放さが魅力の王子を我々の思惑などという狭量な縄で縛ることも土台無理なことなのだ。
だが我々は買ってしまう。
王子のお食事を買う時に、何かの買い物のついでに、「あ、コレ可愛い」とか「これは遊ぶよ～」なんちゃって、例によって例のごとくおもちゃを衝動買いしてしまうのだ。
頭の中には、まるでまたたびに酔ったように我々の操るおもちゃの動きに翻弄され、あられもなく乱れ狂う王子の姿が浮かんでいること間違いなし。
思わず一人でニヤニヤしてしまう。
ところが現実はどうだ。
おもちゃに気を取られるのは包装から取り出した瞬間のみ。
２度３度突いて叩いてさようなら。
あってもいいがなくてもいい。つまり興味が無い。
「遊びたくないのかな」と思っていると、テーブルに飛び上がって置いてあったペットボトルの蓋を強奪。
１時間でも２時間でも一人で追い回して遊び狂う。
時にキッチンで、時にリビングで、時に寝室で、とペットボトルの蓋は王子自らがくわえて移動し、様々なシチュエーションで蓋とのバトルに興じ続けるのだ。
人は言う。『それはおもちゃの選び方が下手なんだよね～』
違う、違うぞ。人よ、おごってはならない。
所詮、王子を始め高貴なる猫族とともに暮らすことを許された我々に主たる王子の趣味趣向を推し量ることなどできはしないのだ。
我々はもっと謙虚に自らの心得違いを反省するべきなのだ。
そうすればこそ、ヒット商品を手にした時の喜びは大きい。
いつも我々の儘ならず、家具の高みから我々を見下ろすだけの存在だった王子を自在に操る快感。
それって、こういった気持から来る倒錯的・背徳的なものなのかもしれない、と今実感した。
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ぺったん したユーザ
ぺったん
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